26話(神サイド) vs[始祖]アルドノイズ④
「ニーラグラを、返してもらう」
アルドノイズは、そんな事を呟いた。
この様子から見ると、どうやらアルドノイズとニーラグラは親密な関係だったのだろう。
なんで神が悪魔を?と思ってしまうが、まあ何かあったのだろう。
そして、俺はそんなニーラグラを殺した。
そりゃあもう、怒っているだろうな。
「だが、同情も、容赦も、情けもしない」
「結構だ」
「そうか、[破矢]」
俺は凄まじい速度でアルドノイズの首元に光の矢を放つ。
全ての魔を浄化するこの神の矢は、悪心を持つもの全てを消滅させる。
全ての神が持つとされる、ありふれた、最強の技。
「エンブレム」
アルドノイズは、そんな矢を、これもまた一瞬で消し去った。
赤く、紅い焔が、全てを巻き込む様に一直線に走る。
矢を消滅させたのでは飽き足らず、その焔は凌駕をも消滅させようと、止まらずに迫ってくる。
「略奪」
「キャンセル」
凌駕はそんな焔を恐れずに消し去ろうとしたが、4番に焔を消し去ろうとした術を消し去られた。
「かはぁっ!」
そのため焔が直撃し、凌駕の体を、身体を焼く。
「凌駕!」
ライが1番と戦いながら悲鳴をあげる。
その一瞬の隙をつかれ、ライは1番に吹っ飛ばされた。
*
……なんでだ?
なんで、こんなに劣勢なんだ?
容量の大きい式神を構築しているのは確かに痛いが、こんなにボコられるくらいの力量はないはずなのに……。
凌駕の身体が圧倒的熱量に支配される中。
一瞬とも呼べる時間の中で、凌駕は頭を巡らせていた。
やっぱ、俺だけじゃ……。
ライは、言っちゃなんだが力不足だ。
俺の自能力は[自由者]だが、ついさっき、ニーラグラに[簡易奪略]をされてしまったばかりだ。
今、俺は[自由者]の能力を使えない。
式神は大丈夫だったが。
だからこそ、俺は[呪い]を使わなければならない。
アルドノイズと戦いはじめてから知ったが、アルドノイズに呪いは効きにくい。
やはり作った者には効きにくいのか?
アスファスみたいに超能力は一切効かないという事はないが、効きにくい。
だからこそ、アルドノイズには[超能力]で戦わないといけないが。
今、俺の持っている超能力は、[自由者]、[蘇生]、[契約]、[設計]、[拘束]、[牙眼]、[熱炎]。
それと、[神能力]の[ニーラグラ魔法]。
[呪い]はめちゃくちゃあるが。
アルドノイズには、ニーラグラの対処が知られており、[自由者]が使えず、アルドノイズの得意とする炎の技の[熱炎]もあまり効かない。
残る攻撃手段は[牙眼]だが、今はなるべく使いたくない。
代償がでかすぎるからな。
[契約]は無理だし[設計]は今必要ないし[拘束]は絶対効かない。
残る手段は、消去法で[蘇生]、[牙眼]、[ニーラグラ魔法]だけだ。
これで、勝つ。
これで、勝たねばならない。
殺らねば、ならない。
どうやって?
決まっている。
俺には、[式神構築]がある。
なかなか話が進まない……。まあ、アルドノイズくんも、凌駕くんもいろいろ悩みとか、抱えているんですよ。僕もなるべく心情回とか書かないようにしているんですがね。遅くなりましたが。蜘蛛ですが、なにか?、可愛ければ変態でも好きになってくれますか?完結素晴らしかったです!!!新作期待してます!




