21話(神サイド) vs[始祖]アルドノイズ①
「お前は絶対に此処で殺す」
8番が9番に言い放った。
その裏で…。
*
「私もまだまだだな。まさか一人でもこの展開を予想していた人間の若造がいるとは思わなかったよ」
俺は口角を上げる。
さぞかしアルドノイズから見れば不適な笑みに見えるとおもうのだが、実際は引きつっているだけである。
俺はぶっちゃけ戦いに興味はない。
興味ないっていうか嫌いだ。
だけど俺は強い。
強いから…、俺がやんなきゃいけないんだ。
「ああ俺もだな。まさか一人でもちゃんと機能してない「器」で俺の所に来る害虫がいるとは思わなかった」
俺はアルドノイズを挑発する。
自分より格上の相手に勝つためには、まず相手の集中力を切らさなければならない。
どんなに剣の達人だとしても、怒りに身を任せれば、それはただの暴力となる。
これでアルドノイズもお怒り……だと良かったのだが。
「言ってくれるねぇ。それと生きてたのかよお前」
アルドノイズ……もといライン・カーゴイスは余裕の笑みを浮かべる。
ライを殺した(と思った)後、ラインはアルドノイズと戦い、敗れ、器にされたのだろう。
気の毒だが……殺さなければいけない。
「ええ」
アルドノイズの言葉にライが肯定する。
今回の作戦の一つ、ライの死亡は達成している。
[ある事]をし、今のライは超能力を失い……呪いを手に入れた。
「[カット]」
「何!?」
ライが呟いた瞬間、アルドノイズの右腕が、ドサッと音を立てて地面に落ちた。
アルドノイズは暫く呆然としていたが、何かに気付いたかのように怒鳴った。
「なぜだ……?なぜ、貴様が[呪い]を使える!?」
アルドノイズは訳がわからないように叫ぶ。
呪いとは、本来なら悪魔にしか獲得する事が出来ない。
人間にとっての超能力みたいなものだ。
もちろん、悪魔は超能力を獲得する事が出来ない。
その法則の書き換え方を……コットに教わった。
「どうでもいいだろ?それよりさっさと死ね」
俺はそう言いながら、地面に手をついた。
アルドノイズはすぐに俺に反応し、何かをしようとしたが、間に合わないと踏んだか、凄まじい速度で地面に手を着こうとする。
だが……それも、間に合わなかった。
「式神構築 死者患難」
「河合凌駕……いや、[自由者]か。必ず殺す。」
アルドノイズは諦めたように、立ち上がる。
勝負は、諦めていないような顔つきだ。
「やって見せてよ」
ぜひ、俺を倒してみて欲しい。
そして、僕に諦めを教えて欲しい。
俺とライとアルドノイズは、地面に飲み込まれた。
お久しぶりですこうろぎです。この度21話掲載しました。自分でも書くと思っていなかった21話です。22話……あるのかな?まあまだまだ超能力という名の呪いは続きのストックはあります。まだ優編という本編にすら到達していないので、10ぶんの0.5ぐらいしか出来てません。こんな事があっていいのか……とも思いますが。何はともあれ、ちょうのろを書くのは実に一年ぶりくらいです。最初はノベルバ掲載でしたから。まあ、何はともあれ、これからも頑張っていきます。そして執筆力を上げていきたいとも思います。これからも、どうぞ宜しくお願いします!




