表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超能力という名の呪い  作者: ノーム
五章 封印前夜・後編
101/301

94話(神サイド) 封印前夜②

今月めちゃくちゃ投稿してる!すごい!頑張った!褒めて!……ところでこれ見る僕以外人いんの?


 宏人は身体中から湧き出る力を異様に思ったが、何故だか身体にものすごくフィットしていると感じていた。

 その力を宏人に与えたのは、吐夢狂弥。

 接点はついさっき謎の異空間で接触しただけだったが……だからこそ、なぜ自分にこんな事をしてくれたのかと疑問に思った。

 だが、今、そんな事どうでもいい。

 宏人はそう心の中で叫び、目の前の敵に立ち向かう。


 敵の名は──悪魔の『始祖』アルドノイズ。


「『時空支配』!」


「『バース──」


 宏人がそう叫ぶと──『世界』の、時が、止まった。


「な……!?すげー……」


 宏人は止まったアルドノイズを見て、改めてこの力に感心した。

 だが、そんな強大な力を、人間が好き勝手交差しないための『設定』を、神ノーズはぬかっていない。


「ッ!?」


 宏人は、悪寒を感じた。

 別に何も起こっていない。

 だが、だからこそ、何でも感じ取れる。

 この感覚は──『世界』が、時が止まった『世界』が、崩壊する──!


「『変化』!神の手!『変化』!銃!『変化』!剣!」


 宏人はアルドノイズに向かって駆け出しながらそう叫ぶ。

 まず最初に手を『(アスファス)』と化して、その上に右手を銃、左手を剣とした。

 宏人はアルドノイズに到達する前に三発の銃弾を撃つ。

 神のオーラを纏った弾丸が、アルドノイズに着弾さる──!


「──ホーシャ』!」


 しかし、銃弾はアルドノイズへ到達する前にもやし尽くされた。

 宏人の『時空支配』では、完全に時を支配する事は出来ない。

 だが、一瞬一瞬が命取りの戦場にて、宏人は狂弥によってその『一瞬』を支配出来るようになったのだ。


「もらった──!」


「ッ!?いつの間に!?」


 銃弾は弾き返されただけであり、宏人自身に被害はない。

 宏人はそのまま突っ込み、己の左手となった剣でアルドノイズの腹を刺した。

 アルドノイズの視点からしたら、宏人はまるで瞬間移動した様に見えるのだ。

 対応出来るも何も、防げるはずがない。

 

「チィィッ!調子に乗るなよ、向井宏人!」


「『始祖』様に名前を覚えてもらっているなんて光栄だな!」


 アルドノイズの腹から血が噴出した。

 宏人の両眼に刻まれた12個の数字の内の『1』が割れ、眼から血が出るが、宏人は気にせず神経を研ぎ澄ませ、集中する。

 宏人はアルドノイズの腹に剣を突っ込んだまま──


「『変化』!剣!剣!剣!」


 後先考えず、ただただアルドノイズを倒すために手の剣から剣を、さらに剣を生やすように『変化』した。


「かぁ……!?」


 アルドノイズが声にならない悲鳴を挙げる。

 ついに剣はアルドノイズの腹の中から外へ貫通し、内臓の破片がとぼどぼと落ちてくる。

 アルドノイズの体の中で、宏人の()が暴れまわっているのだ。

 

「ゴホッ!?がはっ!」


 だがそれは捨て身の攻撃。

 もちろん宏人も無事では済まない。

 確かに『変化』は複雑になるほど元の形に戻る事が困難となる。

 だが、それを覚悟でする事は簡単なのだ。

 しかし、同じ部分を連続で、となれば話は別。

 質量保存の法則を完全に無視しながら『変化』を多用し過ぎるのは、体が持たない。

 宏人が大量の血反吐を撒き散らす。

 いくらダメージを負おうとも、アルドノイズはそんな宏人の隙を見逃しりなんかはしない。


「ッ───────!どけっ!」


 アルドノイズは己の胴体を真っ二つにする覚悟で宏人からバックステップをして遠ざかる。

 たがアルドノイズの腹は滅多刺しされており、立っている事が出来ずそのまま倒れた。

 宏人はそんなアルドノイズを見て勝利を確信するが──


「ッが!?」


 アルドノイズに刺していたいくつもの剣の重力が左手に集中し、手首の骨が粉々に砕け散った。

 だがもとより戻る事のないであろうこの左手は壊す予定だったのだ。

 自分の左手が無くなったという消失感は完全とは言い切れないがない。

 しかし伴う痛みに宏人は歯をくいしばんだ。

 今までの痛みが蓄積したのか、奥歯が割れ、さらに激痛が伴う。

 

「……だけど、勝っ──!」


「まだだ」


 宏人が激痛に苛まれる体に鞭を打って立つと同時、背後からそんな声が聞こえた。

 それは誰か。

 決まっている。


「なんでまだ生きてる!『時空放射』!」


「しぶといのは俺の取り柄だからな!『眷属召喚』!」


「ッ!?」


 アルドノイズの声が聞こえた瞬間宏人は『時空支配』の攻撃型である『時空放射』を放つ。


 宏人の両眼の『2』が消滅する。


 それに対しアルドノイズは俯向きの態勢でNo.1を呼び出した。

 しかしアルドノイズ自身は何も回復していない。

 今にも死にそうなほど、手を流し続けている。

 無論、これも単なる悪あがきなどではない。

 だが、ここでアルドノイズに誤算が生じた。

 

 『眷属召喚』。


 その能力が持つ力はその名の通り己の眷属を召喚する事が出来る秘術。

 アルドノイズは上位悪魔の中でもさらに優れた者たちを己の幹部兼眷属としている。

 だが、『眷属召喚』より召喚されたのはNo.1こと太刀花創弥によって創られた『世界』で造った模倣悪魔一体。

 No.2はともかく、No.3とNo.4は一体どうなったか、アルドノイズの頭の中は一瞬それで支配された。

 だが、すぐさま思考を断ち切る。

 

 アルドノイズにとって、向井宏人はもう、油断ならない強敵だからだ!


 宏人の『時空放射』が、No.1を襲う。

 それはまるで歪んだ世界が、No.1に吸い込まれていくようで──一瞬で、No.1が消えた。

 ただただ、消えた。

 アルドノイズはそんな光景を見ながら、歯を強くくいしばんで地面に両手を添える。


「俺が『神化』するまで持ち堪えろ!『眷属蘇生』!カオス!」


 アルドノイズがそう叫ぶと、奇妙な模様の魔法陣が出現し、地面を覆う。

 すると宏人とアルドノイズの間の地面に、巨大な穴が空いた。

 その穴は更にどんどんどんどん大きくなっていき──


「ルオオオオオオオオオオオオオオオ!」


「おいおい、まじかよ……!」


 その穴の中から、巨大なナニかが、這い出てくる。

 どす黒い血を大量に身体中に被っており、宏人は一瞬何か分からなかったが……這い出てき、血が落とされてから分かった。

 ソレを見て宏人は……笑った。

 顔を笑みに染めながら、宏人は叫ぶ。


「No.2!決着をつけようぜ!」


「マタオマエ……モウワレツカレタ、スグコロス……!」


 No.2ことカオスはそう叫び、自慢の四本のナタを振り回す。

 宏人は回避しようとしたが──アルドノイズが、眩い光に包まれた。


 ──直感で、理解した──


 あれは、まずい、と。

 だが、今宏人が戦っているのはアルドノイズではない。

 昔、『NoS』時代の宏人のメンバーを惨殺した、宏人にとって復讐する敵であり、宏人にとって越えるべき存在でもある、悪魔。

 そんなカオスのナタが、アルドノイズを見ていた宏人の頭を粉砕しようと──


「『時空断絶』!」


 ──が、宏人はとっさに状況を理解、判断、行動し、これもまた『時空支配』の回避の能力の一つである能力を発動した。

 宏人がいきなり消える──だけでなく、カオスのナタごと『転移』のように略奪。

 宏人はそのナタを時空の狭間に投げ捨て、『存在』を消した。

 

 宏人の両眼から、『3』が消滅する。


 だが、宏人はそれだけでは終わらなかった。

 宏人は『時空断絶』を『転移』のように使い、カオスの頭上へと出現する。


 その手には、安定の、神の手に銃と剣を加えたモノ──それが、カオスに降りかかる!


 なるべく高所に場所を指定しただけあり、宏人は銃を最大数である6発撃つ事に成功。

 一瞬で左手の剣に集中する。

 6発の弾丸が、カオスを襲う。

 だが、カオスだってアルドノイズに認められた幹部の一体だ。

 カオスは弾丸を全てナタで弾き返した。

 だがナタも無事では済まず、二本のナタが粉々に砕け散る。

 残るナタは、一つ。


「うおおおおおおおおおおおお!」


「ウオオオオオオオオオオオオ!」


 カオスはそのナタで、弾丸を弾き返した勢いを以て宏人の剣による一撃とぶつかり合った。



 ──宏人の両眼から、『4』が消滅する。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ