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第四十五話 ゴン太くん

世界っていうものはどこか褪せた色合いのものだと思っていたけれど、一瞬のうちに鮮やかに光り輝くものだと初めて知った。

現物じゃなく!(ここ重要!!)自分の心に醸されたオバーサンジャンネー様に感謝と祝福のお祈りを奉る。

現物がウロウロ目障りだが、何とか視界に入らないようにしてお祈りを続ける。

お祈りをする時に瞑目する人が多い理由が分かった。現物を見てしまったら、自分が良くてコメディ、下手するとドタバタの茶番のキャラクターに堕してしまう・・・。


「天野、自己分析が鋭くなったな」

社長、うっさい!

「うずめ。茶番じゃなくて、番茶じゃない?」

「おば」さん、私の目に映らないで下さい。あなたの知識は食べ物特化ですか?

私は今、感動文芸大作のヒロインに羽化するところなのです・・・。


「うずめちゃん、朝は何を食べましたか?」

ご隠居さま、子ども病院のお医者さまみたいな問診をしないで下さい。食あたりでは脳障害にはなりません。

「うずめ、脳障害なの?」

「おば」さん、セカラシ!

「ご隠居、アレのせいですよ」

社長、せせろし!!「アレ」なんて不敬です!

あの方もしくはあの方さま・・・。いえいえ、あの方さまさまは!!!!

「うずめちゃん・・・?」

「大丈夫です。あれで通常運行です」

「社長も大変だねー・・・」

 

そう、さっき、バスが急に止まったと思ったら、扉が開いた。そして乗車してきた人を見て私は目を疑った。

会えないと思った人。夢にまで見た人。心の中で乞い願った人がそこに居た。


「ゴン太くーーん!!!!!!」

私は思わず駆け寄ってしまった・・・。

べシャリ・・・。


「あ、転けた・・・。」

「やはり、明後日に向かっていて果てたか・・・」

「添乗員さん、走行中に席を立ったら危ないよ」

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