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第十話 女神降臨
私には家に訪ねて来るような友人はいない。
だから来るとしたら訪問販売か町内会のお知らせか宗教の方か。
うーーん。
休みの日をまるまる潰して、なんかあっけない。
でも、この事態で言うセリフはひとつだよね。
「すいません、私は仏教なんで」
「あ、仏様ですか。お名前はかねがね・・・」
「いえいえ。取り巻きっていうか、ガヤっていうか。まあ、ナンチャッテです」
「お前はしらふでも意味不明だな」と大家さん。
なんで私にだけは素で突っ込み入れるの?
「宗派はどこだ?女神ならちょっとマイナーだな」
あ、大家さん、復活。
「いえ、私が女神です。」
「はい?」
「私の作った世界が危機を迎えていて、それを回避すべく勇者を探し訪ねています」
「私が勇者ですか?」
「まさか!」
おい。なんか一笑に付されると釈然としない。もちろん私が勇者なんてものだとは思えないけど、『まさか』はあんまりだと思う。
というか、なら、うちに来た理由は何?




