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7.私自身が課した自分への課題(認知行動療法)


 前章の産業医面談で、一定の目途がついたところで、次は私自身の課題だ。どれだけ与えられた猶予の間に心身ともに回復させるか。これが自分の最大の宿題となる。


 医療リワークであるので、プログラムは一つでない。先に挙げたように、課題は個人個人で違うからだ。

 私の場合、手始めにということで、前章で触れた産業医面談の時に持参した書籍(面談時にはこの本は読破した後であった)を渡され、読書したうえで感想文を提出するように設定してもらった。


 さすが、かの院長の著書である。専門用語も多数出てきたが(精神科関係の専門用語はこのようにして学習した)、「本質はそこではない」と自己流で解釈し、記述内容とこれまでの自身の経験などを織り交ぜて、6000字弱のレポートを作り提出した。(読書だけで丸3日、その後の執筆に2日ほど)


 後で教えてもらったが、実はその書籍が課題図書の中では一番難解な専門書であり、大学の授業などでも教科書として使われるようなものであり、これまでに課題にしたケースでは読むだけでも1~2週間かかるとのことだった。


 この時に提出したものを見てからというもの、院長先生やリワークの看護師さんたちは私に課題図書を次々に提示してきた。同じような専門書であったり、リワークに関するノウハウ本であったり、「これは少し早いかな…」と言いながら渡されたのは壮絶な闘病記であったりとさまざまだった。

 その本の論文を書き終えて提出したのち、それが病院スタッフの間で大きな反響になったらしく、「小林さん解脱したね」というコメントが帰ってきた。

(結果的にこの課題図書の読書に論文執筆というのは、この「なろう」などでも普段から行っていることであるので、その延長線と考えれば、上のような日数で完結するのも当然と言えば当然かもしれないが……。そのため、課題図書については計5冊を実質2か月で読んでは書いた・・・の繰り返し。普段の執筆よりもハイペースである…)


 これと並行しながら、毎日の作業日誌を付けることにした。業務であれば当然のように作業日誌をつける機会も多い。またこれは疑似就労ということを忘れないためにも自分から始めたことだった。

 今読み直してみると、やはり感情の起伏変化が大きい時と、比較的平穏な時期があることが分かる。

 そういった起伏は普段の生活の中で黙殺されるか、自分の中で折り合いをつけていくのであるが、その折り合いの付け方を見失ってしまっているのだから、思い出させるか新しい折り合いの付け方を見出すというのがこの認知行動療法の基本となる。


 そのためには、規則正しい時間での生活(起床時間、食事の時間、運動の時間、就寝時間、睡眠時間など)を維持する必要がある。


 とかく、病気で動けなくなってしまい(または仕事関係で24時間交代勤務などで体内時計が狂ってしまう場合も同じ)、このリズムが崩れてしまった患者にとって、この生活の基本に立ち返るということは非常に重要なことなのだと改めて気づかされることになった。


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