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「炎」「迷路」
短詩2編。
「炎」
炎がゆらめく
赤い炎は激しく
青い炎は静かに
誰かの瞳に映るとき
それは黒と混ざり茶と融け合い
やがて白く燃え尽きる
そして空に巻き上げられ
風に乗って儚く散る
人の心のように
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「迷路」
逃げたい
何度そう思ったことか
しかしどこへ逃げたら良いのか
あてどなく迷い立ち止まった
迷路の中に光明を見つけ
一心不乱に走る
右往左往し その場所へは
どうやって辿り着いたのか
もう同じ道は見つからない
しかし微かな希望を持ち進んだ道は
退路ではないと気づく
逃げたのではなく進んだのだと
長い道程を抜けた先にあるものは
さらに繋がる 自らが選んだ道筋なのだ