第10話 ヴァージル領の盗賊団
5日掛けてダンジョンを脱出した。
幸いにも、途中では魔物に出会うことは無かった。
既に他の生徒のチームと戦闘をしていたりしたので、迂回して戻ってこれた。
地上に出たところでゴーレム魔法を解除して男子生徒の遺体を、他の生徒達に運ばせた。
そこで彼女達とは別れた。
終始、重い空気だったので判れた時にはホッとした3人だった。
休みはまだ半分は残っている。
フィもクリンも気落ちしていた。
同じ学校の生徒の死と、ダンジョンの過酷さを目の当たりにしたのだ。
強く才能があるとは言え、まだ16・7の少女達だ、無理もないだろう。
健介は戦利品を金に換えて、2人に山分けした後、馬車の業者を呼んだ。
2人に旅の支度を強引にさせると、馬車に乗せた。
「どこに行くの?」
とクリンが少し不満げに言う。
「私の家よ。」
と健介。
「え?
ど、どうして?」
とクリン。
「いいじゃない。
どうせ1人じゃ寂しいでしょ?
皆で私の家にいらっしゃい。」
と健介。
フィは微笑んでいた。
健介の意図が判ったのだろう。
あのまま学校の宿舎に居ても落ち込むだけだし、1人で実家に帰しても寂しいだろうと。
家に着くと、母ミレーヌが驚いて、喜んだ。
「まあまあ、どうしたの?
怪我は無い?
戻ってきて良かったわ。」
と言いながら、リア(健介)を抱き締めた。
健介はいつもながら、赤面してしまう。
母ミレーヌはナイスバディで良い匂いがするのだ。
「ちょっと、お母様。
友達の前で、恥ずかしいですわ。」
と言い訳気味に言う。
きっと、本物のシーリアでも恥ずかしかっただろう。
「あらまあ、ごめんなさい。
シーリアの母ミレーヌです。」
ミレーヌがようやくリアを開放して、クリンに挨拶した。
「は、初めましてヴァージル伯爵夫人。
私はトモセーヤ男爵の娘クリンです。」
とクリンがミレーヌに挨拶した。
「まあ、トモセーヤ男爵の娘さん?
久しぶりね、私の事覚えて無い?」
とミレーヌ。
クリンがミレーヌを見てリアを見て首をかしげる。
「覚えて無い見たいね。
小さかったから仕方ないわね。
トモセーヤ男爵と夫のヘインツはお友達なのよ。
昔、小さな女の子だったクリンを連れてここに遊びに来ていたわ。」
ミレーヌが少し遠い目をして言った。
「と言う事は、お母様。
私とクリンはその時会っていたの?」
と健介がフィの視線を感じて言う。
フィの聞きたい事は何となく判った。
「ええ、そうよ。
クリンとあなたは幼馴染と言うところね。
それでお友達になったのではないの?」
とミレーヌ。
クリンと顔を見合わせて苦笑する。
隣でフィが頭を抱えていた。
「ま、まあね。
立ち話もなんだから、屋敷に入りましょう。」
健介はその場を流した。
ミレーヌを交えてお茶を飲み、少しするとミレーヌは用事があると言って出かけた。
3人だけになって、3人で笑う。
「リアとは幼馴染だったなんて、驚いたわ。」
とクリン。
「私だって驚いたわ。
全然覚えて無いもの。」
と健介。
シーリアの身体の記憶で、小さな時のものは曖昧でクリンかどうかなど見分けが付かない。
「世の中、妙な偶然があるものね。」
とフィがため息をつく。
この話題に付いていけない立場が恨めしいらしい。
とにかく、屋敷に来て早々にクリンの気は紛れたようだ。
フィはそんなに落ち込む性格でも無いし、健介は精神的には大人である。
痛ましい事では有るが、フィやクリンが死んだ訳では無いから落ち込む事でもない。
ミレーヌが使用人に客室を用意をさせていたようだ。
夕食後、久々の風呂に入った後、3人はそれぞれの部屋で寝た。
翌日、フィは実家へと帰りクリンと2人で過した。
「クリンと2人きりだなんて、初めてね。」
と健介。
いつもフィと一緒にいたから、他の人と2人きりになる事はなかった。
「そうね。
リアとフィはいつも一緒にいるから。
フィの家は近くなの?」
とクリン。
ここ数日の落ち込みは、すっかり無くなった様だ。
「ええ、歩いて20分くらいの所よ。
確か、フィの両親は商人だったと思うけど。」
と健介。
「明日にでも行って見ない?」
とクリンは興味津々な顔だ。
「やめて置きなさい。
クリンの事だから、どうせ平民の暮らし振りが見たいとかそう言う理由でしょう?」
と健介。
「あ〜ん、どうして判るのよ。」
とクリン。
「あなたは単純だからね。」
と健介は笑う。
2人は軽く訓練で汗を流した後、風呂に入ってから町をぶらついた。
町の様子は、以前とは少し違って見える。
「ねえ、なんだか様子がおかしくない?」
とクリンも気になったようだ。
健介は黙って頷く。
町には余り人が歩いていなかった。
皆怯えたように周囲を気にして、足早に歩いている。
「この町で何か起きているみたいね。
お母様なら知ってるはずだけど。」
2人は少し警戒しながら、町を見て回った。
どこも似たような感じで、以前のような賑わいが無い。
「屋敷に戻りましょう。」
健介はそう言って、クリンと屋敷に戻った。
屋敷に戻ると、母ミレーヌを探した。
「お母様。
お聞きしたい事があります。」
と健介がクリンを伴って、ミレーヌがお茶をしている私室に入った。
「まあ、どうしたの?
そんなに怖い顔をして。」
とミレーヌ。
健介はちょっと頬を緩めた。
町の様子を見て、すこし緊張していたようだ。
「町の様子がおかしいのはご存知でしょう?
何があったのですか?」
と健介は訊く。
「やはり判ってしまったのね。
あなたも大人になりましたね。」
とミレーヌは健介を嬉しそうに見る。
「今、この町の近くに盗賊団が来ているのよ。
どうも、規模の大きい盗賊団らしくて、我が家の兵士だけでは押えきれないの。
だから、町にも被害が出てしまって。」
とミレーヌは哀しげに言う。
「お父様は?
討伐に向かっているのですか?」
と健介。
「ええ、時々遣いの者が来て、状況を知らせてくれるのだけど。
心配だわ。」
とミレーヌ。
「お母様、安心してください。
私がその盗賊団を殲滅します。」
と健介が言う。
ミレーヌは哀しげに首を振った。
「伯爵夫人、心配しないで下さい。
私達が! 盗賊団を殲滅しますから。」
とクリンが言う。
健介がクリンを見るとにっこり笑った。
健介は苦笑で返す。
「お母様、私達は魔術学校の主席で、ダンジョンでハルカントを倒したチームです。
お母様もハルカントはご存知でしょう?」
と健介。
「ハルカントって、あの巨人を倒したの?」
とミレーヌが驚いている。
健介とクリンが頷く。
ハルカントはドラゴンに次ぐ知名度を持つ強力な魔物なのだ。
「人間相手だって油断はしません。
必ず生きて戻ります。」
と健介がミレーヌを軽く抱き締める。
良い香りがした。
クリンと母の部屋を出て、2人で武装を始めた。
夕方、フィが屋敷に戻ってきた。
「あら、お早いお帰りね。」
と健介。
「私を置いて行こうっての?」
とフィ。
「これから迎えに行く所だったんですよ。」
とクリンがなだめるように言う。
ダンジョンに入る時のように3人とも完全武装をして、日が沈んだ頃、屋敷を出た。
ミレーヌが心配そうな顔で見送ってくれた。
「屋敷は大丈夫なのかな?」
とクリン。
「大丈夫よ。
屋敷は腕の確かな兵士がいるらしいから。
普段は目立たないように、表には出てこないのよ。」
と健介。
健介は、というよりシーリアは1度だけその兵士を見た事があった。
町の中心付近にある広場で、探査魔法をかける。
盗賊団のアジトはまだ見つかっていない。
規模の大きい盗賊団は、幾つかに分散しているらしく、幹部のいるアジトを探している所だ。
3人の計画は、町に侵入した盗賊を適当に痛めつけて逃がし、その後を追う事だ。
そうやって盗賊の集団を1つ1つ潰していけば、いずれ幹部のアジトを見つける事が出来る。
すでに、ヘインツ率いる兵団が同じ事をしているはずだから、それ程手間は掛からないと予想している。
2時間ほど待っていると、町の外から10人ほどの気配が入ってきた。
明らかに挙動が普通とは違う。
「行くわよ。」
と健介が言うと、2人が頷いてくる。
3人は気配のする方へと走る。
カシャカシャと鎧が擦れる音以外はせず、速度も時速60キロは出ている。
ダンジョンのような暗い場所ではなく、森や山道の様にデコボコの場所でなければ、このくらいの速度で走る事が出来る。
魔術で強化された人間はある意味、魔物よりも化け物である。
2分後、目当ての集団の前に出る事が出来た。
双方、立ち止まって身構えた。
「あなた方が盗賊団ね?」
と健介。
「へえ、女3人で何してんだい?」
とリーダーらしい男がニヤニヤし出す。
他の男たちも下品な笑い声を上げる。
「話し合いは無駄ね。
やるわよ。」
と健介がフィとクリンに言う。
2人は黙って頷く。
話し合いをしに来た訳では無いので、盗賊団の一味だと判れば良い。
「あのリーダーは生かしておいてね。」
と小声で言って、健介は真正面から突撃する。
後ろで、フィとクリンが左右に広がって付いてきていた。
男達の剣の腕は並みのものだった。
魔術で強化していないため、それだけである。
しかし、魔術で身体強化し、剣と鎧を強化し、一流の剣士である魔術師の3人に勝てる訳がなかった。
予定通り、リーダー以外の盗賊達を殺すのに大した時間は掛からなかった。
リーダーは分が悪いと判断したと途端に逃げ出した。
リーダーだけ残す手間が省けていた。
「それじゃ、追うわよ。」
と健介は言って、走り出す。
探索魔法の圏内にまだいるので、リーダーは補足している。
追いつかない程度の速さで、リーダーを負って森を走る。
リーダーを追って森を走っていると。
ガキン!
と健介が罠に掛かった。
「何これ?
舐めた真似してくれるわね。」
と健介。
罠はバネ仕掛けで金属の歯付きの口が閉まる物だ。
元の世界にもあったが、名前は思い出せない。
「大丈夫?」
とフィ。
「ええ、魔力でシールド張ってたから、全然平気よ。」
と健介は双剣の剣を1本抜いて、バネを破壊した。
「フィとクリンも油断しないようにね。」
と再び走り出す。
しばらく行くと、人の居ない場所でリーダーがウロウロしている。
「ちょっと待って。」
と健介達も立ち止まる。
「奴らの野営地の1つに戻ったらしいわね。
ここからどこへ行くのか、少し待ちましょう。」
と健介は座る。
2人も座って待った。
今、リーダーの男と3人の距離は直線で100メートル前後。
森の中ではかなりの距離だ。
20分ほどで、リーダーの男は動き出した。
3人も立ち上がって後を追う。
森の奥の方へと入っていく。
10分ほど追っていくと、複数の人の気配が入ってきた。
意外と近い場所だ。
「当りよ」
と健介。
「まだアジトかは判らないわ。」
とフィ。
「いや、私の感ではここがアジトよ。」
と健介。
人が大勢いる事が、探査魔法の感覚で判る。
こんな森の中で大勢居る理由は、戦時中でなければ盗賊団くらいしかない。
「それで、どうする?」
とクリン。
「もちろん、殲滅するわ。」
と健介。
「クリン、ゴーレム忘れないでね。」
とフィ。
「い、言われなくても判ってるもん。」
とクリン。
クリンは地面に手をつけて、ゴーレムを作り出した。
気配を殺しながら、その場所へと進んでいく。
その集団が盗賊かどうかを確認するのをどうするか悩んでいたが、その必要は無かった。
近付くに連れ、女の悲鳴と泣き声が聞こえてきていた。
それが見えるまで近付くと、男達が2人の女性に暴行を働いている所だった。
「行くよ!」
と健介が全力で走る。
殆ど同じ速度でフィも付いてきた。
クリンは走る方向を変えていた。
その広場に疾風の如く走り込んだ健介は、女性の一人を取り囲んでいた男と乱暴をしていた男の首を切る。
そのままの勢いで奥にいた男2人を切り殺した。
双剣による高速の乱舞のようであった。
フィも数人を瞬時に切り殺していた。
2人が振り返ると、クリンがゴーレムと共に盗賊に踊りかかっていた。
2人に意識が向いたところで、クリンとゴーレムが乱入して盗賊たちは混乱した。
その広場には40人近い盗賊がいたが、5分と立たずに全滅した。
魔物に比べれば、大した敵ではなかった。
盗賊団に魔術師や魔術戦士が居なかったせいもある。
そんな高度な戦いが出来るなら、盗賊団になど入らないだろうが。
「フィ、クリン、彼女達を介抱して。」
と健介は支持して、広場の真ん中で閃光魔法を空に上げていた。
それは信号弾だ。
こっちの世界でも、こういう使い方をする。
定期的に閃光魔法を空に打ち出していると、小1時間ほどでヘインツの兵団がやって来た。
「ええと、あなた方は?」
先に到着した兵士が聞いてきた。
「私はヴァージル伯爵の娘シーリア、あちらの2人は私の友人でフィレイとクリン。」
と健介は女性を介抱している2人を指差す。
「は、伯爵様の娘さんですか?
これは失礼しました。」
と兵士が畏まる。
「ああ、いいんですよ。
私はただの小娘に過ぎません。
父、ヴァージル伯は?」
と健介。
「はい、直に到着するはずです。」
と兵士。
「そう、では到着するまでここで待ちます。」
と健介。
「はい、では私も仕事がありますので。」
と兵士は他の兵士とアジトの警備を始めた。
それから数分後にヘインツがやってくる。
「シーリア!
何故こんな所に?」
とヘインツが驚いている。
鎧を着て返り血を浴びているのだから、何故も無いだろうが。
「私も、私の町を守っただけですわ。」
と健介。
下手な言い訳は逆効果だから、この様に言う方が良い。
ヘインツも言葉に詰まる。
「あの女性たちは私達が屋敷に連れて行きます。
後の事は、お任せします。
では。」
健介はヘインツに敬礼して、2人の方へ歩いて行く。
ヘインツは困ったような顔をしていた。
2人の女性をクリンとフィが背負って、森を軽く走っていく。
健介はその先頭を走って、目立つ邪魔な枝を切り捨てている。
町に入って、屋敷へと辿りつく。
2人の女性を屋敷の風呂に入れて、汚れを洗い流す。
現場で怪我は治しているから、後は心の傷と、妊娠しているかどうかだ。
3人も血で汚れた身体を一緒に洗う。
「あ、あの」
女性の1人の少女が呼びかける。
15・6歳だろうか。
「お家に帰りたい。」
と不安そうに見てくる。
「大丈夫よ。
まだ盗賊がいるかもしれないから、明日、家に送ってあげる。
良い?」
と健介が優しく言う。
「う、うん。」
少女は少し安心したようだ。
「あなたも良いですか?」
と健介はもう1人の女性に言う。
「ええ、それでお願いします。」
とこちらは20くらいの女性で、落ち着いていた。
風呂から上がると、2人を客室に泊めた。
フィとクリンは客室から追い出され、リアの部屋で一緒に寝ることになった。
広いベッドだから、少女3人くらいは余裕で寝れる。
「魔術学校はこれで退学かな?」
とクリン。
「そうね。
でも、後悔は無いわ。」
と健介。
「ええ、力を正しく使ったと信じてる。」
とフィ。
魔術学校の生徒は学校内とダンジョン内以外では、特に許可がなければその力を使ってはならなかった。
魔術学校は軍属であり、その力を行使する範囲は厳格に規定されているのだ。
領主であるヘインツの許可を得ていれば、まだ良かったのだろうが、ヘインツは出撃中で許可を求める事も出来なかった。
この規則を破った生徒は、退学処分が確定している。
最悪、魔力を封じられるが、事情が事情だからそこまでは無いだろう。
3人は救出した女性を家に送り届け、見舞金を渡した後、残りの休日をのんびりと過した。
魔術学校に戻って今回の盗賊の事件の事を報告すると、大騒ぎになった。
この様な事は滅多に無いらしい。
噂が学校中に広がった。
だが、予想に反して3人はなかなか呼び出しを受けなかった。
「何で呼び出されないのかな?」
とクリンが不安げに言う。
彼女は呼び出しを、今か今かと待ち構えて怯えていた。
「何ビクビクしてるのよ。
どうせ退学は決まってるのだから、それまで勉強できる所まで勉強しましょう。」
と健介。
「そうそう、心配するだけ無駄よ。」
とフィ。
2人は魔術に関する本を読み漁っていた。
ここで退学になったら、転生魔法を扱うだけの知識が得られないかもしれない。
だから、可能な限り魔術の本を読んで置くつもりだった。
そんなある日、とうとう呼び出された。
「シーリア、クリン、フィレイ、以上3名の盗賊討伐に関する処罰を言い渡す。」
と校長が言って、3人を見る。
健介とフィは真っ直ぐ校長の視線を受け止め、クリンは視線を外した。
「今回は処分無しとする。」
と校長。
「・・・は?」
健介は間の抜けた声を上げてしまった。
「不服かね?」
と校長。
「いえいえ、ありがとうございます。」
健介は頭を下げた。
2人も頭を下げる。
「礼を言うのなら、4年生のタリアとファラールに言いなさい。」
と校長。
「4年生のタリアとファラール?」
健介はフィとクリンを見るが、2人とも首を振る。
「ダンジョンで助けた2人を忘れたのか?」
と校長。
3人は「ああ」と声を上げる。
「あの2人の家から圧力があってね、主にタリアの家の方だが。」
と校長。
「はあ」
と健介。
「タリアはヤーリク公爵の娘さんでね。」
と校長。
「ヤーリク? って事は。」
とクリン。
「この学校を含めた領地の領主で、スポンサーでもある。」
と校長。
これで3人も合点が入った。
「まあ、今回はラッキーだったな。
今後は気を付けなさい。」
と校長。
人生、何が起きるか判らないものだと、健介とフィは部屋で笑いあった。
「これで魔術の勉強も今まで通り進められるね。」
とフィ。
「タリアさんにお礼を言わなくちゃね。」
「さっきクリンが4年生に訊いたらしいけど、今は実家で休んでいるらしいわ。」
「そう、じゃあファラールさんに先にお礼を言っておきましょうか。」
「あ、ファラールさんも休んでるって。」
「そう・・・早く言ってよ。」
と健介が軽くフィを睨む。
「まあまあ」
フィは笑って誤魔化そうとしていた。