誕生より明日。
カフェは目の前のカウンター席がありその横奥の窓側の席が僕達の定位置である。カウンターで砂糖強めのコーヒーを頼み、定位置に向かうと幼馴染二人は既に座っていた。
幼馴染のユキヤとリームは『遅いよ!!』と同時に言った。自分の左腕に刻み込まれているメモリを見ると、どうやら集合時間を10分間過ぎていたようだ。ごめんごめんと軽めに謝る。
全く細かい友人だ。
二人と日課の『 武道 』の練習の話や家での話、妹の話などと話していると、二人は突然ニヤニヤと顔を合わせ『せーの』と言って綺麗に朱色のリボンで包まれた箱を自分の前に差し出してきた。
ユキヤ、リーム『カルレ誕生日おめでとう!!!!』とキラキラ効果音がつきそうな程の笑顔で言葉を発した。
えっ、、、、俺、、明日誕生日なんだけど、、
まさに呆気からんとした。
ユキヤ『いや、明日はこの街で大切な日だからさ。今日祝おうって、リームちゃんと話してたんだよ。』
リーム『そう!!間違っても忘れるわけないよ!!!!』
なんとなく表情でユキヤは嘘をついてなくてもリームは完全に忘れていたなと察した。
後でリームには何らかの形で仕返ししてやろうと心に決めた瞬間であった。
でも実際に明日は本当に大切な1日だった。
この街の『 外 』から偉い人達が来るので、その時に身を守るのに昔から力を注いできたこの街の誇りであり伝統である『 武道 』を見せる場面であるのだ。そうして、この街自体の評価を上げるという大切なものだった。
リーム『明日は私達の世代が武道を披露する番だもんね!!』と相棒の銃を光らせ張り切っていた。
彼女は銃を使う武道『 銃道 』である。
ユキヤ『はー今からでも緊張してきたね・・』と心配そうに自分の懐にある扇子を見ていた。
彼は扇子を主に使う武道『 舞踊道 』である。




