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クソチートの脱ボッチ計画  作者: 鹿田はもの
第一章、色々な出会い
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そのニ、はじめてのたたかい

テンションがあがり、すっかり忘れていた泥だらけの制服の対処を、道沿いに適当に歩きながら考える。


ふーむ。さすがに魔法で綺麗には……。


「なっちゃったかー」


少しだけ、綺麗な服のイメージをしたら、某バラエティ番組でマルかバツに飛び込んで失敗した、みたいな感じだった制服の泥が一瞬のうちに乾いて砕け散っていった。すごい。ほんとにイメージするだけでなっちゃうなんて。


……ん? だとしたら、物語によくある『嫌よ、私に近づかないで! あなたを傷つけてしまう』みたいな下りがあるのかな。力がありすぎるのも問題だねえ。


なんか他人事みたいだけどこれ私の問題なんだよね。


まあいいか。なんとかなるなる。


現実世界と違って、こっちの世界はちっさな虫とか凶悪な虫とかがいなかった。生態系が心配になるが、まあ「魔力があるから」の一言でなんとかなってしまうんだろう。


そのため森の中だというのに虫刺され一つないし、緑のいい匂いもするし、温度湿度も丁度いいし、おまけに景色が笑えるほど綺麗で、至れり尽くせりの厚遇だった。なんども言うけどありがとう神様。


でも魔物に遭遇しないのはちょっと悲しいかな。もしかしたらこの世界にはいないのかもしれない。


なんて考えてたら、ご都合展開。


近くの茂みが音を立てて揺れた。立ち止まってそこをみていると、ウサギくらいの大きさの何かが飛び出してきた。


私の前に立ちふさがった敵らしきものと目が合う。


それはぱっと見ウサギなのだが……なんというか、空っぽというか。


そう、そのウサギ、向かって右半身が骨だけになっているのだ。切り取られたかのような皮膚の端は黒い瘴気があがり、本来肉があるはずの内側はどす黒い気体のようばなにかが詰まっていた。


つぶらな瞳はウサギそのものだ。しかし体が、体が……。


幸いある程度のグロ耐性がある私は臆することはなかった。グロ系漫画とかイラストとか漁ってたしな……。女子力……。


ウサギとしばし見つめあった後、小動物のつぶらな瞳だったウサギが、突如鬼のような形相になって牙を剥き出しにしてこちらへ飛んでくる。


「ああああああああ!」


なんだこの悪質な釣り動画みたいな感じ!


ほぼ反射的に避けると、ウサギはまたこちらへ向かってくるような素振りを見せた。


だがこんなザコみたいな敵に二度同じ手を使わせる私ではない。


鋭利で軽いロングソードをイメージし、手元に出現させる。おお、具現化もできるのか。


それを向かってくるウサギに突きつけた。脳天から突っ込んできたウサギは見事串刺しになり、目から光が消えたかと思うと黒い瘴気に包まれふしゅふしゅと音を立てて消えてしまった。


なんか……ちょっとグロいな。


まあこれも生存競争。向こうが襲ってこなければ私も手を出さないようにしようと決め、多少の経験値とともにまた森を歩き始めた。


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