表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/77

第一章 5

 三人は、管理棟に所属するシステム管理の大きなコンピューターの立ち並ぶ中にいた。


 ここは、システムの中心になり、室内は環境調整がされているため、温度湿度ともに快適だった。


 これから、ここで三人はこのシステムのチェック及び修正にあたる。

 修正といっても、大幅な書き換えが必要になるので、

 新しく構築すると言った方が適切かもしれない。



「へぇ、なかなかいいじゃないか? ここ」

「ほんと、今まで行ったどこより広い」

「それに、きれいだね」


 三人が言っているのは、管理用の部屋の中。


 広さは、三十畳くらいだが、管理用のコンピューターが横並びに七台。

 正面には大きな真新しいモニターが五面あった。


 その横に、くつろぐためか小上がりになった小部屋があり、畳が敷かれている。

 それにはアンリードもヘイクワースも、大喜び。

 なんと、人生で初めての畳に興奮している。 


 管理棟の中にある中でも、環境はいい。

 防音されているので、外にあるコンピューターの起動音は聞こえない。


 ただ、ここにはトイレなどの水回りはなく、管理棟本館まで行く必要がある。

 それ以外は、静かで作業に集中できる。


「ここは、最近整備したばかりで、あまり使用していません。

 自由に使って下さい。不自由があればすぐ改善しますので、おっしゃって下さい。

 それでは何かありましたらお呼び下さい。もうすぐ担当の者が来ますので」


 そう言ったかと思うと、そそくさと行ってしまい、

 残されたのは三人と二人のボディガードだけとなった。


「どうしようか?」

「……始めるっていっても、」

「担当の人、待とうか?」


 そう言って、その担当者の到着を待った。

 ボディガードは、ドアの外にいる。


 すでに、仕事中。


 とりあえず、持ってきた荷物のうち仕事に使うものを準備した。

 そこに担当者が入って来た。


『すみません。遅くなりました。担当の常崎とこさきと言います』

 三人の手が一瞬止まった。


 常崎は、日本語で話しかけた。

 だから、三人が一瞬止まった。

 しかし、その後ろから、ボディガードの一人が通訳として入ってきた。


『私が、通訳します』

「三人共、こっちに来て。こちらが担当の‘常崎’さん。ト・コ・サ・キさん」


『この三人、左からヘイクワース、アンリード、リンです』

 順に頭を下げた。

 ついでに握手も。お互いに笑顔で。


 そんな中、大きな荷物を持った学生が三人入って来た。


『先生。これ、ここでいいですか?』

『いいよ、こっちに持ってきて。……ありがとう』


 三人の学生は、荷物を置くと一礼して出て行った。

 出て行くように促されたからだが。


 この学生は、当然ここの学生なのだが、男子ばかり三人。

 お年頃の、である。


 そして、学生達が出て行ってから、常崎は設備について説明した。

 それをボディガード兼通訳から聞いていた。


 一通り説明したところで、今度はこの建物を出て説明したいとのことだったが、

 それは、ボディガードだけが受けた。


 それというもの、この三人一人での行動は許可がいる。

 どこに行くにしても必ず届けがいるが、ほぼ全部にボディガードが同行する。


 それが、派遣される条件でもあったから。

 三人共それには同意している。


「リン。今の訳、合ってるか?」

「合ってるよ。間違いようないし、それより、準備しよう」

「そうだな。さっさと始めよう」


 三人は、準備を整えると、作業にかかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ