第二章 16
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「!!!」
その声で、リンは驚愕した。
また、するって?
冗談じゃない。ちゃんと答えてるのに……。
ニールがスイッチを入れ……!
「メイン電源を切って!」
リンは、周囲の人間が思いもよらない大きめの声で、
監視カメラに付いているマイクに向かって叫んだ。
すると、ニールがスイッチを入れようとした機械の電源も、
照明も、全て消え、
地下室は、真っ暗闇へと追いやられた。
誰もが言葉を失い、何も言えなくなった中、
リンの呻く声だけが部屋に人がいる気配を伺わせた。
「アッ! ……」
体を固定されたまま、リンは呻いているしかなかった。
そんな状態がしばらく続いた後、
フェルデが、
「おい! 照明を点けろ!
何してる、こっちじゃない」
「イテッ! どっちだよ!」
「通してくれ!」
……捜査官が、取調室の中であたふたしている。……。
問題は、これがIIMC全てに及んでいることだ。
IIMCの建物と、IIMCにアクセスしていたコンピューターにも影響した。
IIMC始まって以来、前代未聞のこの事態に、大慌てで処理に当たっている。
まさか、IIMCが、丸ごと誰かの手に落ちてしまう。
こういう事態は、全く予想できていなかった。
それが、今、現実になっている。
IIMCにいたほぼ全ての人で慌てていない者はいない。
それどころか、戸惑う人の波が、右往左往している光景は、ある種の滑稽ささえ垣間見える。
いわゆる、パニック状態。
「電源を入れろ!
メインコンピューターだけでいい、早くしろ!」
「保安システム優先だ!」
「予備電源はどうなってる?
早く起動させろ!」
「施設管理、なにやってる! 早く復旧しろ!」
…………
…………
なにやら、地上、地下を問わず、慌ただしい。
そんな喧噪を、この空間だけは除外してしまう程、静かだった。
まるで、人がいないのかと思えるほどに。
人の気配は息遣いで知れる。特に、荒い息遣いは、時に叫びとも呻きともつかない、
ひどく痛ましいものだった。
地下の取調室には、先ほどまで捜査官が五人ほどいたが、今では二人。
他の三人は、地上に戻り、復旧の人材として出て行ったばかりだった。
そして残った二人の捜査官に睨み付けられるようにして、
何とか座って、荒い息をしている、ハッカーがいるだけだった。
明かりと言えば、まだ照明が点かずに、手元にある小さな灯が頼りだった。
「リン!
お前だな?
これはお前の仕業だろう?」
「…………クッ、……」
「黙秘か?
それが許されると思っているのか!」
フェルデは、リンの襟を掴み、激しく迫った。
リンは今まで以上に表情がゆがんだ。
「だ、……だった、ら? なに、が、……悪い?」
苦しい息の中で、リンはなんとか口にはしたものの、
それ以上は激しくせき込むだけだった。
「やっぱり、お前の仕業か?」
「……、……そ、そう、よ……」
息遣いは荒く、言葉が続かない。
しかし、フェルデには十分だった。
そうしているうちに、電源が復旧し照明は点り、応援に駆け付けていた三人も戻って来た。
「リン! 何をした?」
真剣な表情で、一気に迫ってくるフェルデ。
「何をしたか、全て話してもらおう。
黙秘なんてしてみろ、容赦しない!」
そう言って、ニールに目配せをした。
ニールは機械の電源を入れた。
すると、機械が起動する時の唸るような低い音をたてた。
その瞬間、リンの体が緊張するのが分かった。
「分かってるようだな?
さっそく話してもらおうか?
何をした!」
その後、リンは少しずつ話し始めた。
リンが過去に内をしたのか、その一部分を明かしていきます。




