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花が咲く 第三部  ~温かい思いとその果て~  作者: 三布
第二章  24歳  思惑
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第二章  16

                 11

「!!!」


 その声で、リンは驚愕した。

 また、するって? 

 冗談じゃない。ちゃんと答えてるのに……。


 ニールがスイッチを入れ……!


「メイン電源を切って!」


 リンは、周囲の人間が思いもよらない大きめの声で、

 監視カメラに付いているマイクに向かって叫んだ。


 すると、ニールがスイッチを入れようとした機械の電源も、

 照明も、全て消え、

 地下室は、真っ暗闇へと追いやられた。


 誰もが言葉を失い、何も言えなくなった中、

 リンの呻く声だけが部屋に人がいる気配を伺わせた。


「アッ! ……」


 体を固定されたまま、リンは呻いているしかなかった。


 そんな状態がしばらく続いた後、

 フェルデが、


「おい! 照明を点けろ! 

 何してる、こっちじゃない」


「イテッ! どっちだよ!」


「通してくれ!」


 ……捜査官が、取調室の中であたふたしている。……。



 問題は、これがIIMC全てに及んでいることだ。


 IIMCの建物と、IIMCにアクセスしていたコンピューターにも影響した。


 IIMC始まって以来、前代未聞のこの事態に、大慌てで処理に当たっている。


 まさか、IIMCが、丸ごと誰かの手に落ちてしまう。

 こういう事態は、全く予想できていなかった。


 それが、今、現実になっている。


 IIMCにいたほぼ全ての人で慌てていない者はいない。


 それどころか、戸惑う人の波が、右往左往している光景は、ある種の滑稽ささえ垣間見える。


 いわゆる、パニック状態。


「電源を入れろ! 

 メインコンピューターだけでいい、早くしろ!」 


「保安システム優先だ!」


「予備電源はどうなってる? 

 早く起動させろ!」


「施設管理、なにやってる! 早く復旧しろ!」



 …………


 …………



 なにやら、地上、地下を問わず、慌ただしい。

 そんな喧噪を、この空間だけは除外してしまう程、静かだった。


 まるで、人がいないのかと思えるほどに。


 人の気配は息遣いで知れる。特に、荒い息遣いは、時に叫びとも呻きともつかない、

 ひどく痛ましいものだった。


 地下の取調室には、先ほどまで捜査官が五人ほどいたが、今では二人。

 他の三人は、地上に戻り、復旧の人材として出て行ったばかりだった。


 そして残った二人の捜査官に睨み付けられるようにして、

 何とか座って、荒い息をしている、ハッカーがいるだけだった。


 明かりと言えば、まだ照明が点かずに、手元にある小さな灯が頼りだった。


「リン! 

 お前だな? 

 これはお前の仕業だろう?」


「…………クッ、……」


「黙秘か? 

 それが許されると思っているのか!」


 フェルデは、リンの襟を掴み、激しく迫った。

 リンは今まで以上に表情がゆがんだ。


「だ、……だった、ら? なに、が、……悪い?」


 苦しい息の中で、リンはなんとか口にはしたものの、

 それ以上は激しくせき込むだけだった。


「やっぱり、お前の仕業か?」


「……、……そ、そう、よ……」


 息遣いは荒く、言葉が続かない。

 しかし、フェルデには十分だった。


 そうしているうちに、電源が復旧し照明は点り、応援に駆け付けていた三人も戻って来た。



「リン! 何をした?」


 真剣な表情で、一気に迫ってくるフェルデ。


「何をしたか、全て話してもらおう。

 黙秘なんてしてみろ、容赦しない!」


 そう言って、ニールに目配せをした。


 ニールは機械の電源を入れた。


 すると、機械が起動する時の唸るような低い音をたてた。

 その瞬間、リンの体が緊張するのが分かった。


「分かってるようだな? 

 さっそく話してもらおうか? 

 何をした!」



 その後、リンは少しずつ話し始めた。


 リンが過去に内をしたのか、その一部分を明かしていきます。

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