第一章 4
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IIMC(国際情報管理センターの略)は、どの国にも縛られず、
世界中に駆けまわっているあらゆる情報の管理を目的としている。
また、優秀かそれ以上の技術や知識を有し、
それによりその技術が、どこか(国、組織)に独占させては、
国際情勢に危険を及ぼす可能性があるプログラマーを、管理・機能させるための組織。
また、技術力は高いために、より危険なハッキングなど、
これも国際的に問題になるケースは、その当事者のハッカーを、収容・更生させる目的もある。
ハッカーにも色々ある。
ここに集められている者は、そうでない者より頭一つ二つ抜きんでているが、
その中にも三段階に分けられて、管理されている。
一段階目は、知識も技術も持ち合わせているが、ハッキングの内容が、それ程ひどくない者。
二段階目は、知識と技術を駆使し、広範囲に渡る者。
三段階目は、知識と技術を限界まで使い、より深く核心に迫った者。
公にされていない段階として、
三段目よりも、それがより危険な使われ方をした場合には、特別な処置が取られている。
その内容は、個人の戸籍と、あらゆる権利の剥奪。
そしてこの場合、改名を余儀なくされる。
これに該当するのは、過去に四名しかおらず、そのうち三名が、現在所属している。
そして、すべてのハッカーに共通しているのは、
職員(スタッフ)の指示(命令)には必ず従い、反対や、抵抗は認められていない。
これが義務付けられる。
そうして、更生させたハッカーの社会復帰にも、大きく貢献している。
なぜなら、更生してもその技術力により多くの国や組織から、
その身柄を危険にさらしてしまったり、
高いその技術を悪用する国や組織に独占されてしまっては、身も蓋もない。
そこで、あまりにも高い技術を持つ、元ハッカーやプログラマーを、IIMCで管理運用している。
このチームが、まさしくそのより高度な技術を有する者の集まりだった。
そして何より、この三人、元ハッカーなのである。
一癖もふた癖もあるとは、そこが所以だから。
IIMCにいるのは、別にスタッフの技術者として、何倍かの競争率に打ち勝った強者達ばかりが集っている。
他には、警備(ボディガード)、ハッカーなどの捕獲や取り調べを行う捜査官がいる。
総勢はどれほどいるかは、世界中にいるスタッフなどで把握出来ていない。
極秘で動いているスタッフもいるからだ。そんなの公にできるはずもない。
そんな一見怪しそうなIIMCも、世界中のシステムについて、これ以上ないほどの貢献もしている。
システムチェック以外にも、システム自体の立ち上げも関わっている。
そのため、世界にある、重要なシステムに何らかの形で関係しており、
IIMCにとっても有利な環境にある。
なぜって?
IIMCの目的の一つに、……これ以上は、明かせない。