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花が咲く 第三部  ~温かい思いとその果て~  作者: 三布
第一章  21歳 きっかけ
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第一章 23

                   20


 レイミアンは、リンとベーシャルのいる部屋の前に来た。


「約束だ。どんなことがあっても、絶対にリンに近づくな。

 もちろん、体に触れるのもなしだ。いいな!」


 それを、ジェインが通訳し、学生達は了承した。

 その上で改めてドアを開けた。


 最初にレイミアン。

 次に学生達、最後にジェイン。


 マクレンは、またドアの外にいる。 


 レイミアンに続いて入った学生達は、床に倒れているリンを見つけた。


 明らかに、何かあったと分かるその姿に、悲鳴にも似た声が上がった。


『『『リンさん!』』』


 駆け寄ろうとして、レイミアンに先を塞がれた。


「近づくな、そういう約束だ。守れないなら、ここで終わりだ」


 ジェインが通訳した冷たく言われたその言葉に、学生の誰も逆らえなかった。

 ただ、静かに頷くだけ。それしかできなかった。


「いいだろう。……ベーシャル、リンを起こせ」


 ベーシャルは、その言葉通り、


「リン、起きろ。続きだ」


 リンの体は、ベーシャルに無理矢理引き起こされ、体が悲鳴を上げるのが聞こえた気がした。

 リンは、呻いただけだったが、見るからに苦しそうな表情で、ベーシャルにされるがままだった。


 近くにあるベッドの足元に、背を預けたその恰好と、

 体の後ろではめられた手錠が、現実を物語っていた。


『どうして……リンさん何かしたんですか?

 それにしても、あれは、……あれは酷すぎませんか?』


 いくつかの声がダブって言った。


 その中に、

『利沙? なんで利沙がこんな目に』

 そう言うと、力なくその場に座り込んだ。


『香波! 大丈夫?』

 百合に助け起こされ、


『あ、ああ。大丈夫。ごめん。なんかびっくりして』


 そんなやり取りをしり目に、

 レイミアンは、リンに近づき、膝をつくと顔を指で起こし、


「リン、例の学生達だ。

 お前に会いたいそうだから連れてきた。

 話したいだろうと思ってな。

 どうだ。久しぶりにお友達と話してみたら」


 そう言って、そのままリンの顔を入口側の学生達の方へ向かせた。


「! なんで……どうしてここに?」


 リンは、動揺した。

 まさかこんな所で会おうとは、考えもしなかった。


「どうして?

 そんなこと分かってるだろう。

 リンに、この学生達と話をさせてやろうっていう心遣いだよ。

 しばらく時間をやる。好きに話せ。

 日本語も許可する。相手は日本人だしな。その方が話しやすいだろう?」


 そう言って、学生達を少しだけ近づかせた。



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