表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/77

第一章  13

                11


『利沙、なんだよね? 私、覚えてる?』


 リンは、声がした方を向いて驚いた。


『……かなみ?』


『利沙。やっぱり利沙だったんだ。覚えてくれてたんだね。利沙』


「…………」


 香波は、リンの体にしがみつくように揺さぶった。

 リンはそんな香波を正面から見られず、顔を背けてしまった。


『利沙? どうしたの、久しぶりで驚いた?

 この学校ITに強くて。

 利沙に教えてもらったでしょ? それで、ここに入れたんだ。


 ……ずっと気にしてたんだけど、連絡取れないし、どこ行ったか分からなくて……。

 ごめん。迷惑だったかな? 

 でも、利沙の顔見たら嬉しくて、みんなが協力してくれて。

 本当は、ちゃんと会えるようにしたかったんだけど、全然相手にしてくれなくて。

 それにいつまでいるか分からなくて、焦って。

 こんな強引なことして、ごめん。でも……』


「ここにいるわけにはいかない。

 どんな理由があろうと、こんなの、間違ってる。帰して」


『また、英語かよ。

 日本人で、日本語話せるんなら、日本語で話せよ。何言ってるか分からないし』


 孝春は、納得がいかないとでも言うように、強い口調で言い、


『こっちの言ってる内容は、伝わってるんだろ?

  でも、日本語で、ね?』


 聡が、状況を確かめた。


『じゃあさ、確認? 

 君は友延利沙さんで、間違いないんだな?』


『……、今はリンって呼ばれてる』


『じゃあ、リンって呼んだ方がいいのか?』

 リンは、静かに頷いた。


『分かった。リンって呼ばせてもらう。

 それでさ、香波に色々聞いたんだけど。


 高校中退して、その後どうしてたの?

 なんか、聞いたところによると少年院がどうとか?』


 リンは、驚いた表情を見せたが、この場に香波がいるなら、納得がいく。


 きっと誰かに聞いたんだろう。

 過去に何があったか。


 リンは、一人納得して、


『聞きたいってそれ? だったら、話す気はない』


『ちょっと待った。

 じゃあ、香波に連絡しなかったっていうのは、ただの同級生だったって? 

 香波は、もうちょっとは、友達だと思ってたみたいだけど』


『……それにも、答える気はない。

 そんな、今更どうでもいいことが聞きたいの?

 もういい? 帰っても』


 リンは立ち上がろうとして、今まで、話していなかった孝春が、


『どうでもいいだって! 

 ずっと、気にかけてくれてる人に向かって言うことか。

 少なくとも、そう言っていいわけがない。

 謝れ。香波に謝れ!』


 リンは、それには何も言わなかった。


『何か言えよ。香波に悪いだろう? 何か言えよ』


 リンは、黙って立ち上がり、


『こんなくだらないことのために時間を使われた。

 不愉快よ。もうこれ以上話すことないわ。帰る』


『待てって言ってるだろう? ……』


 そう言いあっているところに、突然ドアが開いた。



 誰も入ってくる予定なんてないドアが。


 これから動きます。どう動くか、今しばらくお待ちください。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ