第3話
学校に入った途端、いろいろな所から話し声が聞こえてくる。
「おいおい、お前何組になった」
「俺は2組になったお前は」
「俺は4組だ、良いよな~お前の組は可愛い娘がいて」
などという他愛ない会話が聞こえてくる。
俺は3組になった、まさかの神代夕凪と同じ組になってしまった。
テンションがだだ下がりの中、教室に行くと教室の真ん中辺りに人だかりが出来ていた。
俺が自分の席に座ろうとすると、その人だかりの真ん中から一人の美男子が出て来た。
「よお、安部!」
「あぁ、熊か、おはよう」
こいつの名前は熊谷直人、忘れていたが俺のただ一人の親友だ。
「で、熊、何だその人だかりは」
「あぁ、俺の友達だよ」
「全員お前の友達かよ‼」
そんな会話をしてから自分の机に座った。
・・・
暇な学校が終わり、夕凪との約束を守るため俺は正門前に居る。
「お待たせ~、ちょっと遅れてごめんね~」
「今来た所だから待っていませんよ」
「いや~、君に合わせたい人がいて」
「こんにっちは~」
「紹介するね、この人は私のお兄ちゃん、名
前は神代恭一」
「神代恭一で~す」
俺の神代恭一に対する第一印象は「チャラそう」だった。
「こんにちは、僕は安部涼太です」
「いや~、ちっちゃいね~涼太君」
俺は心の中で『うるさい、ほっとけ』
と思い、そして神代恭一に嫉妬していた。
何故ならば身長が180㎝ぐらいあるからだ。
ちなみに俺の身長は152cmだ。
俺はその言葉を無視して話を進めた。
「こんな所で立ち話もなんなんで、家に行きませんか」
「そろそろ行こっか、お兄ちゃん」
そして俺は、自分の家えと帰るのだった。
この後、あんな事が起こるなんて誰が予想出来たことか。




