第9話
ガチャ
「はぁ~」
「お邪魔します」
「お、お邪魔します」
「お邪魔しま~す」
上から順に、俺、夕凪、奈穂、熊、という順番だ。
「久しぶだな~涼太の家」
熊は、そう言うなり、靴を脱ぎ捨てリビングに入っていった。
俺達も靴を脱ぎリビングに行く。
「あれ、安部君、親は?」
リビングに入っていきなり夕凪が親の事を聞いて来た。
「親は居ねーよ」
「お仕事で居ないの?」
もう一度聞いて来た夕凪に、熊が説明する。
「違うよ神代、涼太の母さんは涼太を産んですぐに病気で亡くなり、親父さんは、涼太が10歳の時に、ふらっと旅に出て以来、連絡が取れないらしい」
「じゃ、じゃあ、10歳の頃からずっと一人暮らしなの?」
「あぁ、そうなるな」
俺がそう言った瞬間、リビングの空気が重くなる。
俺と熊は重い空気が苦手だ。
「おぉ!テレビが薄型テレビになってる」
熊が空気を軽くしようと普段よりも、3割増しの明るい声で言った。
「半年前に買い替えたんだ。ほら、神代も蘆屋さんもボ~っとして無いでソファーに座って、あっ、今お茶出すから」
俺も、重い空気は嫌いなので熊に続いて俺なりの明るい声を出す。
「う、うん」
「すいません」
「別に良いよ蘆屋さん」
だが、重い空気は残ったままだ。
そんな気まずい空気のリビングに思いもよらぬ救世主が現れた。
「にゃ、にゃ~」
その救世主は猫だった。
しかも、ただの猫では無く、尻尾が二又にわかれた真っ白な猫。
俺はみんなに気付かれない様に鈴(猫)に喋りかける。
「鈴、何で出てくるんだよ」
「にゃ、にゃ~にゃっ、にゃにゃにゃ」
猫語はわかる訳がなかった。
「わかった、わかったから大人しくしてろ」
「ふぅ~、にゃっにゃっにゃ」
「かっわいい~、私猫大好きなの」
奈穂が俺に喋りかけて来る。
「涼太って前は猫飼ってなかったよね」
「あ、あぁ、猫も半年前は飼ってな」
「あれぇ、この猫、尻尾が二つに分かれてるぜ、珍しいな」
「あぁ、珍しいだろ、ペットショップで偶然見つけて衝動買いしたんだ」
さすがに苦しいかなっと思いつつも嘘の理由を言う。
「へぇ~、涼太が猫を衝動買い、、、想像できないなぁ~」
何とか熊に信じて貰えた様だ。
「涼太が猫か...、ついに涼太も動物の愛らしさに気が付いたか」
熊がさらに何かぶつぶつと呟いているが納得してくれたのだろう。
「この猫、凄い安部さんに懐いてる」
奈穂ちゃんも納得してくれたようだ。
だが、何故この猫は俺に擦り寄って来るのだろうか?
「にゃ~、にゃ~」
スリスリ
「辞めろ、鬱陶しい」
まったく、制服に毛が付くだろう。
「ひ、酷い、こんな可愛い猫ちゃんが擦り寄って来るのにそれを、『辞めろ、鬱陶しい』だなんて」
「そうよ、猫ちゃんが可哀相だよ」
「涼太、みんなが居るからって、照れて猫ちゃんに強く当たるのは良くないぞ」
くそっ、何故みんなに俺が責められる。
しかも、最後の奴に関してわ、全然違う。
俺は仕方なく、鈴を抱っこする。
「にゃ~、うにゃ~ご」
鈴を抱っこしたままソファーに座る。
「すまん、今、抱っこしてるからお茶を出せない」
「良いよ、良いよ、私が出すから」
そう言って夕凪が台所に行く。
「そういえばお前等、何時までここにいるつもりだ?」
すると、熊が俺の予想を上回る答えを返してくる。
「う~ん、夜中の2時くらいまでかな」
「はぁ、本気か熊」
「私達もそのつもりですよ、親に連絡もしましたし」
俺はその返事を聞いて唖然とする。
「私も親に許可を貰ってますよ」
「はい、お茶いれましたよ」
俺が唖然としていると、夕凪にお茶を手渡される。
「にゃ~、うにゃ~」
俺は、何故か鈴の鳴き声が耳に響いた。
ども、作者です♪(´ε` )
仕上げの後書きを書いてる途中でパソコンのページが落ちて前に編集した所まで消えました(涙)
そんなことぐらいで僕はめげません(^-^)/
安部「へぇ~、よく言うやん、ページが落ちてデータが途中まで消えた時、諦めかけてたのに」
作者「ぐっ」
安部「しかも、後書きを頑張って書いてたけど消えて、『後書きはもう良いか~』何て思ってた癖に」
作者「ぐさっ、ぐさっ」
妖姫「妾もまだ、後書きにしか出さしてくれない癖に」
作者「本当にすいませんorz」
妖姫「まあ、こうやって、妾も無事後書きに出れたことやし許してつかわす」
作者「あ、ありがたき幸せorz」
安部「ほんまに早く物語を進めんかい」
妖姫「本当に、タイトルにもなっている妾がまだ小説の本編に出ていないとは何事か」
作者「それについては、後ちょっと、後ちょっとだけ待ってくださいorz」
妖姫「何時、妾は本編に出るのじゃ」
作者「次か、次の次あたりには必ずorz」
妖姫「はぁ~、仕方ないの」
安部、妖姫、作者「こんな小説ですが、今後も宜しくお願いします(^з^)-☆」