堕落揚羽
この話は私が小学生の頃、とてもインパクトのある出来事があったため、それを思い出した際に「これは一つ描けるのでは?」と思ったため、文章で表現してみました。
昨日、午後4時半くらいだった。
太陽という名の罪はほとんど沈み、あたりは薄暗くなっていた。
そして俺を早く家へ帰させるかのように肌寒い風が俺の背中を強く押していた。
俺は日が暮れてから道を歩くのが好きなのに.....
でも、風はいつも俺に様々な世界を見せてくれる。
何も考えなくても美しい世界を見せてくれる。
でも風は嫌いだ。
その行く通りに進めば毎回いい世界があるとは限らない。
まるでギャンブルみたいじゃないか。
俺は少し立ち止まりたいんだ。
そう思い、俺は初めて風に逆らって立ち止まってみた。
風は一生懸命に俺を押したが、俺はそれを耐えた。
後ろ髪が風に従おうとする。
それに対し俺はじっとした。
しばらくすると風はどこかの誰かの所へいなくなった。
「これで俺は自分で好きな場所へ行ける」
俺は少しにやけた。
ふと足元を見ると、そこには何か小さな生き物がいた。
大きく立派な羽の揚羽蝶だった。
その模様はまさに天使のようだった。
でも空を飛んでもいいのに飛ぼうとしない。
「もう辺りが暗くなってきてるから寝てるのか?」
どうしてこんなに立派な羽があるのに飛ばないんだ?
俺はその場で考えた。
蝶にもそれぞれ性格があるのか。
でも、俺だったら飛びたいと思った。
羽があれば、風なんかいらない。
自由に空を飛んで好きなところへ行ける。
しかし、立派で面積が大きな羽がついている故に風が来れば飛ばされてしまう。
「風に怯えて、怖がっているのか?」
そんな考えが俺の頭を過った。
「俺もそうだよ」
風は予期せぬ場所へ俺たちを導く。
俺は予想ができないことは嫌いだ。
この蝶が飛ぼうとしないのは痛いほどわかる。
その痛さをお互いに知っていると確信した。
「俺も今日、学校で教師に叱られたんだ」
いつの間にか蝶に話しかけていた。
現在俺は勉強になんとか追いついていけてる現状だ。
「問題を間違えて答えた場合はすぐに周りから指摘されたり、笑われたりするのに、正解した時はそれが当然かのようにスルーをするんだ、少しくらい褒めてくれたっていいじゃないか....」
そのいわゆる不公平さが俺の生きづらさの核心だと思っている。
この蝶の大きな羽が邪魔に見えてくる。
飛べることがわかっていても飛ぼうとしない。
彼は蝶として生まれて、大人になったら必ずこの大きく目立つ羽を持って空を舞うために飛ばなければならない。
そう、羽は空を舞うためにある。
「じゃあ、もう羽いらないじゃん」
動かない方がマシだと考えた。
「もう、俺も無理しなくてもいいよね」
それからこの蝶と一緒に夜を過ごそうと思った。
世が明け、その蝶は死んでいることに気がついた。
当時の私自身の心の複雑さを思い出しながら描いていました(笑)
皆さんはどんな小学生を送っていたのでしょうか?
ぜひいつかお聞きしてみたいです。




