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白雪様と二人暮らし  作者:
第二章 のんびりとした日常

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22/24

22話 白雪様とお正月

 元旦の朝。

 外は雪が一晩中降り続いたみたいで、窓の外が真っ白に覆われていた。

 名古屋の街はまだ静かで、遠くから初詣に向かう人の足音が少しずつ聞こえ始めてるけど、朝早い時間だから穏やかで優しい。

 雪の層が厚く積もって、街灯の光が柔らかく反射し、まるで白い絨毯を敷いた世界。


 空気はひんやりと澄んでいて、息を吐くと白く凍るのが見えて、冬の冷たさが頬や鼻先を優しく刺す。

 部屋の中は暖房が効いてふんわり温かく、白雪様の甘い雪の匂いが優しく漂っている。

 その香りが、昨夜の除夜の鐘の余韻と混ざって、心を柔らかく包み込み、昨日の疲れを優しく溶かしてくれる。


 私はベッドからゆっくり起き上がって、隣を見た。

 白雪様がまだ眠そうに目をこすってる。

 小さな体が布団に埋もれて、銀髪が枕に広がり、狐耳がぴくぴくとゆっくり動いている。

 頬が少し赤くて、昨夜の鐘の音を聞きながら眠りについた余韻が残っているみたい。

 尻尾が布団の下でゆらゆら揺れて、寝ぼけながらも嬉しさが隠しきれてない。

 まぶたが重そうに開いて、金色の瞳がぼんやりと私を捉える瞬間、胸がきゅんとする。


「綾……おはよう。新年だね」


 白雪様が上目遣いでこっちを見て、金色の瞳が朝の柔らかい光を映してキラキラ輝く。

 声が少し眠そうで、甘くて、かすかに鼻にかかって、胸の奥がきゅんとする。

 布団から少し体を起こして、銀髪が肩に落ちて、雪のようにさらさら揺れる。


「おはよう、白雪様。あけましておめでとう」


 私は白雪様を抱き寄せて、額にちゅっとキスした。

 柔らかい肌と温もりがじんわり伝わって、昨夜の抱きしめ合った記憶がよみがえる。

 白雪様の銀髪が私の頬に触れて、雪の匂いが一気に広がる。

 胸が熱くなって、涙が出そうになるくらい幸せだった。

 白雪様の体が私の腕の中で少しもぞもぞ動いて、狐耳が私の髪に触れてくすぐったい。


 この瞬間、新年が本当に始まった気がした。

 白雪様と出会って、今日で一年たったんだなって実感しちゃう。

 白雪様の温もりが、私の新しい一年を優しく照らしてくれるみたいで、心が満ちていく。


 白雪様がこくんって頷いて、狐耳をぴょこんと立てる。

 尻尾が布団の下でぱたぱた動いて、興奮が抑えきれてないのが丸わかり。

 小さな尻尾の先が布団を軽く叩く音が、静かな朝の部屋に可愛く響く。


「うん! お賽銭も用意したよ。綾と一緒にお参りして、今年も幸せでお願いする」


 白雪様の声が弾んで、金色の瞳が朝の光を浴びてキラキラ輝く。

 小さな手が布団の端をぎゅっと握って、期待で体が少し震えてる。

 私は笑って、白雪様を布団から抱き上げた。

 軽い体が腕の中にすっぽり収まって、甘い雪の匂いが一気に広がる。


 白雪様の銀髪が私の頬に触れて、柔らかい感触が胸をくすぐる。

 体温が直に伝わってきて、心臓がどくどく鳴り始める。


「じゃあ、準備しよう。まずは着替えだね」


 クローゼットから、白雪様の小さな着物を取り出す。

 淡いピンクの桜柄のちりめん生地で、帯は金色。

 私が子供の頃に着てたものを、妹が成長して着て喜んでた着物。


 妹が亡くなってから、ずっと仕舞ってあったけど、今の白雪様のサイズにぴったり合って、銀髪と狐耳に映える。

 妹の笑顔を思い出すと、胸がぎゅっと締めつけられるけど。

 今は白雪様が着てくれることで、妹の分まで一緒にいる気がして、温かい気持ちになる。


 生地が朝の光に透けて、桜の柄がほのかに浮かび上がる。

 白雪様をベッドに座らせて、丁寧に着せてあげる。

 袖を通すたび、小さな体がもぞもぞ動いて、狐耳がぴくぴく揺れる。

 袖口から銀髪がこぼれて、桜柄と混ざって綺麗。

 帯を結ぶときは後ろから抱きしめるみたいになって、白雪様の背中が私の胸にぴったり。

 体温が直に伝わって、心臓がどくどく鳴る。

 帯を締めながら、白雪様の腰に腕を回して、耳元でそっと囁く。


「帯、きつくない?」


「ううん……ちょうどいい。綾の手、温かいよ」


 白雪様が振り返って、微笑む。

 頬がぽっと赤くて、金色の瞳が潤んでいて、可愛すぎて胸が痛い。

 着物の襟から狐耳がぴょこんと飛び出して、帯の金色が銀髪に映えて、神聖で可愛い。

 尻尾が裾の隙間からふわっと覗いて、ぴくぴく動く。


 私も自分の着物を着替えて、シンプルな紺色のものにオレンジのリボンを付ける。


 白雪様の「狐の友達」みたいな感じで揃えたやつ。

 鏡の前に並ぶと、二人の姿がぴったりで、まるで物語の中みたい。

 白雪様が私の袖をそっと掴んできた。


「綾……一緒にいるの、嬉しいよ~」


 私は白雪様の頭を撫でて。


「私も。白雪様と一緒の新年、最高だよ」


 お賽銭用の小銭を巾着に詰めて、白雪様が大事そうに持つ。

 小さな手で巾着の紐をぎゅっと握りしめて、指の先まで白くなるくらい力が入ってる。

 金色の瞳が真剣で、狐耳がぴくぴく緊張しながらも嬉しそうに動く。


 巾着の布が小さな掌にぴったり沿って、赤い紐が白い肌に映えて、朝の光にほのかに輝く。

 尻尾がぱたぱた揺れて、床に軽く当たる音が部屋に響く。


「私のお賽銭、綾と一緒にお願いするよ」


 白雪様の声が少し震えてて、でもその震えが可愛くて、胸がきゅんとする。

 巾着を胸に当てて、まるで宝物みたいに抱きしめてる姿が愛おしくて、私はそっと手を重ねた。

 白雪様の指が私の指に絡まって、温かい。

 金色の瞳が潤んで、私をじっと見つめてくる。


「うん。一緒に願おうね。健康で、幸せで、ずっと一緒にいられますようにって」


 私の言葉に、白雪様がこくんって頷いて、巾着をさらにぎゅっと抱きしめた。

 尻尾が私の脚にふわっと触れて、温かい毛がくすぐったい。

 その感触が優しくて、離れたくない。


 この朝の準備が、二人だけの特別な時間。

 外の雪が静かに降り続ける中、部屋の中は温もりと甘い匂いで満ちていた。


 お正月の朝ごはんは、簡単だけど伝統的なものを用意した。

 重箱に詰めたおせち料理。

 黒豆、数の子、田作り、紅白かまぼこ、栗きんとん、昆布巻き、伊達巻き、紅白なますを少しずつ皿に盛り付ける。


 そういえばお母さんが昔教えてくれたっけ……。

 黒豆は「まめに働いて、健康でいられますように」って意味で、ふっくら煮た甘さがほのかに香る。

 数の子は子孫繁栄の願い、田作りは五穀豊穣、紅白かまぼこは慶びと清浄、栗きんとんは金運、昆布巻きは喜び、   

 伊達巻きは知恵、紅白なますは平和……どれも縁起が良くて、食べるたびに新年の幸せを感じる。

 おせちの色合いが皿に映えて、黒豆の艶やかな黒、数の子の黄金色、紅白の鮮やかさが、雪景色と対比して美しい。


 去年の新年の朝は何も食べなかった記憶がある。

 家族の元に行こうと思ってたし、何かを食べる気力もなかったよね。


 白雪様が小さな箸で黒豆を一つ摘んで、口に運ぶ。


「ん~……甘くておいしい! 黒豆、今年もまめに頑張るよ~」


 金色の瞳が細まって、狐耳が嬉しそうにぴくんっと跳ねる。

 尻尾が私の足元でふわっと触れてくる感触が、温かくて優しい。

 白雪様の頬が少し膨らんで、幸せそうに咀嚼する姿が可愛すぎて、胸がきゅんとする。


「白雪様がいるだけで、もう十分幸せだよ」


 私は数の子を一口食べて、白雪様に「あーん」って栗きんとんを食べさせてあげる。

 黄金色の栗きんとんが口の中で甘く溶けて、白雪様の頬がぷくっと膨らむ姿が可愛すぎて、胸がきゅんきゅんする。

 白雪様がもぐもぐ食べて、満足げに頬を緩めて、私の膝に寄りかかってくる。

 小さな体が私の体に寄り添って、温もりが伝わってくる。

 おせちを少しつまんで、温かいお茶を飲む。


  お茶の湯気が立ち上り、白雪様の銀髪を優しく揺らす。

 湯気の向こうで、白雪様の金色の瞳が柔らかく細まって、穏やかな笑顔になる。


「綾……今年も、楽しみだね」


 白雪様が私の手をぎゅっと握り返す。

 小さな指が私の指に絡まって、温かい。

 その力が優しくて、胸がじんわり熱くなる。


「うん。白雪様と一緒なら、毎日が楽しいよ」


 おせちの優しい味と、白雪様の温もりが混じって、今年一年がどんなものでも、きっと幸せだって、心から思えた。


 それから私たちは、萬松寺へ。

 外はまだ雪が積もったままだけど、朝の陽射しが少しずつ強くなって、雪面がキラキラと輝いている。

 雪の表面が細かい結晶のように光を反射して、まるで無数の小さなダイヤモンドを敷き詰めた道のよう。

 冷たい空気が頬を刺すけど、白雪様の手を握ってるから全然寒くない。

 小さな掌が私の手にすっぽり収まって、温かさがじんわり伝わってくる。


 時々ぎゅっと握り返してくる指の力が、優しくて愛おしくて、胸がきゅんとする。

 白雪様はピンクの着物にマフラーとコートを着込んで、狐耳がマフラーからぴょこんと飛び出してる。

 着物の裾が雪を払うたび、桜柄が朝の光に淡く浮かび上がって、銀髪と一緒に幻想的に揺れる。

 小さな手が私の掌にぴったり収まって、指先が温かくて、雪の冷たさを忘れさせてくれる。


「綾、雪の上歩くの楽しいね~」


 白雪様が上目遣いに私を見て、声が弾む。

 金色の瞳が雪の反射でキラキラして、頬が冷たさで少し赤くなってる。

 尻尾がコートの裾からちらっと見えて、雪の粒をぱたぱた払ってる姿が可愛すぎて、胸がきゅんとする。

 足跡が二人分並んで雪に刻まれていくのが、なんだか特別で、歩くたびに心が軽くなる。


 万松寺の参道へ入ると、ビルに囲まれた通路には朝早くから参拝客の影が落ち始めていた。

 モニターの光が雪に反射して、点灯した提灯の赤と混ざり合い、雪の中にサイバーパンクな朱の炎が浮かんでいるみたい。


 白龍館の前、お賽銭箱に手を合わせる人たちの息が白く凍って、巨大な白龍が吐き出す霧に溶け込んでいく。

 白龍の足元にある石造りの階段を登るたび、白雪様が私の手を引いて、軽やかに跳ねる。

 着物の裾が舗装された床の雪を払い、桜柄がビルの隙間から差し込む朝陽に淡く輝いた。

 タイルの上の雪が靴の底でぱりぱり音を立てて、白雪様の小さな足跡が私の足跡の中に収まっていく。


「綾、早くお参りしよう!」


 白雪様の声が弾んで、金色の瞳が期待でいっぱい。

 朱塗りの柱が並ぶ白雪堂の前に並んで、二人で手を合わせる。

 白雪様が、隣で小さな声で祈る。


「今年も綾と幸せでいられますように。健康で、毎日笑顔でいられますように」


 その声がアーケードから吹き込む冷たい風と雪の中に溶け込んで、胸の奥がじんわり熱くなる。

 私も目を閉じて、心の中で同じ願いを繰り返す。


 去年一年ありがとうございました。

 白雪様とずっと一緒にいられますように。どんな日も、幸せでありますように。

 私は心の中で感謝を白雪様にお礼をした。

 

 お賽銭を投げ入れると、金属の箱に当たってチャリンと硬い音を立てた。

 その音が不思議と体の中に響いて、胸がじんわり温かくなる。

 続いて太い鈴紐を引くと、カランカランと澄んだ音が雪の朝の静寂に溶けていった。


 白雪様が私の袖をぎゅっと掴んで、振り返る。

 頬が雪の冷たさで少し赤く、でも笑顔が輝いている。

 

 お参りが終わって、白龍の広場に設けられたおみくじ所へ向かう。

 白雪様が小さな手で、ずっしりとした木製の筒を一生懸命に振る。

 筒の中の棒がカタカタと乾いた音を立て、白雪様の指が緊張で少し震えてるのが見えて、胸がきゅんとする。

 白雪様は、ひょこっと顔を出した棒を大切に指で押さえ、そのまま筒ごと巫女さんへ差し出した。


「お願いします」

 小さな声で告げて、巫女さんからおみくじの紙を受け取ると、ぱっと私の方を振り返る。

 金色の瞳が期待でいっぱいに輝いて、狐耳がぴょこんと立っている。


 白雪様の声が弾んで、二人で広げてみたら、大吉とあった。

 白雪様が目を丸くして、狐耳がぴょんぴょん跳ねる。

 尻尾がコートの裾からふわふわ揺れて、興奮が抑えきれてない。


「わぁ! 大吉だよ~! 綾も引いて!」


 私は筒を振って、おみくじを引いた。

 広げると、私も「大吉」。


 白雪様が目を丸くして、狐耳がぴょんぴょん跳ねる。

 小さな手が私の袖をぎゅっと掴んで、頬がぽっと赤くなる。


「二人とも大吉! 今年は絶対幸せだね!」


 白雪様が私の袖をぎゅっと掴んで、笑顔が輝く。

 おみくじを大事に巾着にしまって、境内を少し散策する。

 雪の積もった松の木の下で、白雪様が小さな雪だるまを作り始める。

 小さな手で雪を丸めて、狐耳みたいな枝を刺して、完成。

 白雪様の銀髪に雪の粒がついて、朝の光にキラキラ輝いてる。


「綾、見て! ミニ雪だるま!」


 白雪様が雪だるまを両手で持ち上げて、私に見せてくる。

 雪だるまの小さな狐耳が、白雪様の耳とそっくりで、可愛すぎて胸がきゅんとする。


「可愛い……白雪様に似てるよ」


 私は白雪様を抱き上げて、雪だるまの横で写真を撮る。

 二人で笑い合って、雪の冷たさと温もりが混じって、胸がきゅんきゅんする。

 白雪様の頬が雪で冷えて赤くて、でも笑顔が輝いていて、抱きしめたくなる。


 初詣の帰り道、白雪様が私の腕に絡みついてくる。

 着物の袖が私の腕に触れて、温かい。


「綾、お正月って楽しいね。次は何する?」


「家に帰って、おせち食べながら、カルタ取りとかしようか」


 白雪様の瞳がぱっと輝く。


「うん! 百人一首! 綾に勝つよ~」


 家に帰って、こたつに潜り込む。

 おせちの残りをテーブルに並べて、百人一首の札を広げる。

 白雪様が小さな手で札を取ろうとして、狐耳がぴくぴく集中する。

 読み手をCDに流して。


「ちはやぶる……」


 白雪様がぱっと札を取るけど、間違えて私の札を取っちゃう。


「えへへ……綾の取っちゃった」


「いいよ、白雪様の勝ちで」


 私は白雪様の頭を撫でて、札を渡す。

 尻尾がこたつの中でぱたぱた揺れて、甘い匂いがこたつの中に広がる。

 カルタ取りの合間に、おせちを一口ずつ食べさせてあげる。


 黒豆を「あーん」すると、白雪様が頬をぷくっと膨らませて、幸せそうに食べる。


「綾と一緒にお正月、最高だよ~」


 外の雪がゆっくり降り続く中、こたつの中で二人きり。

 百人一首の札が散らばって、おせちの香りが部屋に満ちて、新年の穏やかな一日がゆっくり流れていく。

 白雪様が私の膝に頭を乗せてきて、


「綾……大好き」


 小さな声で囁く。


「私も大好き。ずっと一緒に」


 この元旦が、こんなに温かくて、こんなに甘いものになるなんて、白雪様と一緒だからだ。

 雪の音と、白雪様の小さな吐息が、静かに響く部屋で、元旦はまだ始まったばかりだった。

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