視点変わり過ぎ問題
評価 モヤる度★★★★★ ブラバ率★★★★★
小説を書いている方なら一度はやった事があるであろう、視点変更。
これ、やり方によっては凄く効果的で、例えば内心の分からないキャラクターの動向を視点を変えて見せるなんて事をすると、その人物の魅力を一気に引き出す効果を生んだりするんですよね。
見えなかった一面を読ませる事で、読者様の興味も一気に引く。
素晴らしい手法です。
ただこれを頻繁に使われると、非常にモヤるんですよね。
話がとっ散らかり過ぎて、全然没入できないんです。
皆さんは小説を読んでいる時、何を考えていますか?
今読んでいる内容や先の展開を頭に思い描きながら、話を追っているんじゃないかと思います。
今この主人公は何を感じているのかや、これから話はどう変わっていくのか、とか。
一体この窮地をどうやって対処するかなんてシリアス展開だったり。
もしかしたらこの料理うまそー、なんて事かもしれません。
最近だと「コイツざまぁ!」なんてものが多いかもしれませんね。
でも視点変更と言う奴は、そうやって想像している色々な事を強制的にぶった切って、別の展開を目の前につきつけてきます。
今は目の前の仕事で忙しいのに、別の仕事を強制的に置いていくブラック会社のクソ上司のようです。
で、そのクソ上司が一時間ごとにしょーもない仕事を押し付けてきたら、皆さんはどう思いますか?
このハゲ! 毛根絶滅しろ! って思いませんか?
視点変更もそうなんですね。
適切に仕事を割り振ってくれる上司は有能上司です。
でも、適当に仕事をぶん投げて来るクソ上司はいりません。そんないい加減な仕事はお猿さんだってできます。
視点変更も、適切でない入れ方は読み手の興味を大いに損ないます。
話を突然切られるので、急に我に返って小説に全然没入できないんですね。
有能上司って貴重じゃないですか。
視点変更も貴重なんです。特別な存在なんです。
ヴェルタースオリジナルくらい特別なんです。
だから頻繁に使ってはいけません。
ここぞ、って時にするからこそ、効果が生まれるんですよ。
だって皆さん、想像して下さい。
ドラゴンボールの元気玉って知ってますよね。
もしあれを悟空が、
「今回の敵はヤベェ奴だと思ったから、事前に十個作って来た!」
って言って現れたらどう思います?
そんな漫画、面白くもなんともないですよね?
ピンチになってから初めて「何とかして元気玉を作ろう! 作りさえすれば勝てる!」となるから面白いんです。元気玉は特別な技なんですよ。
視点変更は、ある程度今進めている話に区切りをつけてから挟むのが、適切ではないかと思います。
千文字、二千文字程度の話に二度も三度も挟むと、私のような変な奴がモヤモヤして、こんなエッセイを書いてきます。
そんなの嫌ですよね?
視点変更、貴方の特別な存在にしてあげて下さい。
そう、あのヴェルタースオリジナルのようにね。




