擬音で全てを表す者
評価 モヤる度★★★★☆ ブラバ率★★★★☆
シュババババッ! ヒュン!
ズザザザザザーッ!!
キンッ! キキンキンッ!
ガリガリガリ! ビヨヨヨーンッ!
パラリラパラリラパラリラパラリラ!
ぴるぴるぴぴるぴぴるぴ~。
アッー!!
もっちゃらほげほげ!
ふぅ……何とか致命傷で済んだぜ。
というわけで、ご理解頂けたかと思います。
そうです。擬音で何をしているか表現する小説ってありますよね。
これ、私ヒジョーにモヤりますで候。
うん、確かにまあ伝わる事は伝わるんですよ。今戦ってるんだなーとか。
ただね、具体的に何をどうしているのかまでは全然伝わらない。
だって文字で起こしてくれないんだモンっ!
頭の中で補完しないと、小説内の登場人物がどう動いているのか全く分からないんですよね。
キュドドドドッ!!
バン! ババン! バン!
ヴォラッシェ!!
皆さん。これ、何の音か分かります?
そうです、私の可愛いお腹ちゃんが鳴ってしまった音なんですよ。
失礼しました。でも今は昼時分なので仕方がないですね。
作者様はその物語を全て理解しながら文章を書いているので、当然登場人物が何をしているかはっきりと分かるでしょう。情景だって頭に浮かんでいるはずです。
でも読み手は先の展開なんて全く知らないので、文章を読まないと話が理解できません。
そんな時、突然擬音で済ませた文章が出てくると、何が何やらさっぱりで展開に置き去りにされる事もあるんですよね。
擬音も擬音で分かりやすいものから分かりにくいものまで多々あるので、唐突にボシュゥッ! とかブッピガン!とか出てきても、「何コレ?」とゴロリも首を傾げてしまいます。
まあ前後の文章で分かるようにしている小説が大半ではあるんですけど。
でも結局、具体的な動作が分からない問題はそのままなんですよね。
テンポやリズムを良くするためという理由もあると思います。
分かります、小説って本当にテンポ、リズムが大切ですよね。これの善し悪しで読みやすさや没入感が段違いに変わってきますから。
戦闘シーンなんかだと、長々と説明をいれるとテンポが一気に落ちてしまって、素早く戦っている感じが失われる事もあります。でも、だからと言って説明を省きすぎると伝わらない事もあって。
私も「この思い、読者様に伝われー! ……いや、伝わるかコレ?」って頭抱えながら書いてますよ戦闘シーン。
だから擬音で解決したいという気持ちはよーく分かります。
ええ。よーく分かりますとも。
私もそう思った事は幾度と知れませんから。
でもですね。テンポやリズムを重視するあまり読者がゴロリ化する文章というのは、本末転倒だと思うのです。
作者様が書いた小説は、どんな内容であろうとこの世に一つしかありません。
せっかく紡ぐ物語なわけですし、もっと大切に。そしてもっと万人に思いが届くように書いて欲しいなー、と思う私なのでありますで候。
さあ、どうする!
今こそ決断する時だ。
擬音で表現するか、地の文で登場人物を動かすか!
自分の心で感じたままに、物語を動かす時だ!
――え? やっぱり擬音の表現が楽で良いって?
ああ……それが貴方の物語なんですね……。
バン! ババン! バン!
ヴォラッシェ!!




