独り言ちる
評価 モヤる度★★★★☆ ブラバ率★☆☆☆☆
突然ですが以下例文。
「独り言ちる。これモヤっとするんですよねー」
私はそう独り言ちた。
これ、「独り言ちる」は誤りとされていて、「独り言ちた」は問題無いんです。
わけ分からんですよね。
大丈夫、安心して下さい。
まだ慌てるような時間じゃありません。
さて、「独り言」という言葉があるのは当然皆さんご存じですよね。
この「独り言」という言葉は名詞なんですが、これを動詞にした言葉があります。
これを「独り言つ」と言います。
ようするに「独り言」が「独り言を呟く」って言葉になったんです。
「話」を動詞にしたら「話す」になった! みたいな感じです。
ピカチュウが進化したらゴリチュウになった! みたいな感じかもしれません。
そんな程度に軽く考えてOKです。
大した話じゃありません。
で、先程の「独り言ちた」を使った文ですが、この「独り言つ」を使っても問題ありません。
私はそう独り言ちた。
私はそう独り言つ。
殆ど意味は変わりません。「言った」と「言う」くらいの違いですね。
「言った」と「言う」じゃあ、小説で登場人物の動きを表現する分には結構違いますけど。
ただ今は大差ないとお思い下せぇ。
問題はそこじゃあないんですぜ、旦那。
皆さん、この「独り言つ」って言葉、今まで見たことがありますか?
無いって方が殆どじゃないかと思います。
この「独り言つ」ですが、なんと古語なんです。「いとおかし」とか「わろし」とか「あべし」なんかと同類なんです。
ってすみません、「あべし」は古語でなく断末魔でしたね。
――って、あれ? 調べてみたら「あべし」って古語がある。
ネタのつもりだったのにマジか……今年一番のびっくりエピソードですね……。
事実は小説よりも奇なりって感じですか。
うわっ!? うわああ――うわらば!
まあとにかくそんなわけで、古語って奴は現代では普通使わないとされている言葉なんです。
だから見た事がなくて当然なんです。だって昔の言葉なんですから。
だと言うのにですよ。
現代風を装った「独り言ちる」がなんでかちょこちょこ出て来る。
しかもそんな言葉は本来ない。
モヤるなと言うのが無理でございやせんか?
過去の奴が今風になって当然のような顔して出てくんじゃねー! モヤるだろうが!
パリピ孔明かテメーは! おもしれーじゃねーかよクソッ!
面白いですよねパリピ孔明。
でもやっぱり「独り言ちる」は面白くない!
それに個人的な意見ですが、「独り言つ」「独り言ちた」の方が格好良くありません?
何だかんだ言ってこちらの古語は好きなので、私は使ってますね。ええ。
「独り言ちる」
「独り言つ」
もし貴方が使うとするならば、一体どちらを使うでしょうか。
パリピ孔明か、それとも諸葛亮か。
貴殿のセンスが問われますぞ?




