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プロローグ

プロローグ!

変なところがあったらコメント等で教えてください…!

秋の月の20日

私は、暗殺者に殺された。


5歳で魔術の才能を開花させた私は、幼いころから魔術の天才と謳われてきた。

家族は平民だったけれど、私の魔法を求め、多くの人が私に求婚してきた。

平民だった我が家は、一気に伯爵家まで上り詰めたのだ。


優しかった母は、金に困らぬ生活に踊らされ、人が変わったように散財するようになった。

 家族思いだった父は、私の魔法の力を利用して、王家に取り入ろうとした。

そして私は、母や父から好きなものをなんでも買ってもらえるようになった。

 そんな生活に慣れなかった私は、屋敷の庭をぶらぶらしていることが多かった。

庭を歩く三毛猫を見て、何度か思った。

猫になれたら楽なのになあ、と。


ある日、猫を追いかけて遊んでいたら

何者かに後ろから刺され、殺された。





そして目が覚めたら、私は黒猫になっていた。

(いや、なんでだよ)

ラナ・ケルメス。12歳。

魔術の天才と謳われた彼女は、短い人生で初めて黒猫になった。

 自分が黒猫だと気づいた理由1、目線が低い。

いや、本当に低いのだ。

今まで見えていた家の窓とか、マジで見えない。

 自分が黒猫だと気づいた理由2、すごい自然に四つん這いで動いてる。

自分では二足歩行のつもりだったけど、四足歩行だと理由は

足元を見たときに自分の手を床についていたから。

 自分が黒猫だと気づいた理由3、手に肉球がある。

ちょっと触ろうか悩んだ。自分のほっぺをムニムニしようとした。

感覚が自然すぎて、気持ちいとかなかった。

 このあたりで違和感を覚えて、近くにあった水たまりに顔を映せばこれだ。

白く可愛らしい顔はどこへ行ったのか

そこにいたのは真っ黒の毛と瑠璃色の目をした黒猫が一匹。

軽く泣いた。

 おそらく私は、あの暗殺者に殺されたのだ。

顔も見れなかったから、誰かはわからないけど。

そして原因不明の現象で、転生とやらを成し遂げてしまったようだ。

私が無意識に魔法を使っていたのか、神とやらの力なのかは知らない。

 正直に言ってしまうと、めんどくさい。

なんで一回死んだのにもう一回生きなきゃいけないんだよ。しかも人外。

ここがどこかもわからないし、今がいつかもわからない。

猫だから当然言葉も話せない。

魔法は使えた。魔法は感覚派の私は、黒猫になってもその感覚を忘れていなかった。

(魔法が使える黒猫を前世の私が見つけたら…)

おそらく、見世物にしていただろう。

それが一番他人から金を巻き上げられる方法だからだ。

(よし、魔法が使えることは知られないようにしよう)

民衆の見世物になるなんて、まっぴらごめんだ。

今更めんどくさいとか言っている暇はない。

結局私は「転生」してしまったのだ。

たとえ黒猫でも、どうにかして生きなければいけない。

(がんばれ私!私はラナ・ケルメス12歳。魔術の天才と謳われた少女!

私にできないことはない!)

決意を胸に、道を歩く。

「カー」

(ん?カラス?)

なんだろう。こっちに飛んできている気がする。

怖い。体が小さいからめっちゃ大きく見える。超怖い。

「カー」

(待って待って待って!あいつ私を捕まえようとしてない!?)

カラスは低空飛行でこちらに近づいてくる。

バサバサと音を立てて、私の背中をつかもうとした。

「ニャーーーー!?」

(無理無理無理!怖い怖い怖い!)

庭をよく通っていた三毛猫を思い出し

あいつも苦労してたんだな、と思った。

今はそれどころではない。

いわゆる現実逃避だ。

(開始1日で死ぬ!猫弱い!)

魔法を使うか…?でも、誰かに見られたら…!


「こら!意地悪しない!」

近くの家から10歳程度の少女が出てきて、カラスを追い払う。

「大丈夫だった?わっ、怪我してる!おいで!」

「にゃー」

でかい。人間でかい。できることならもう1mくらい小さくなってほしい。

少女についていくと、少女は家から包帯やら薬やらを取り出し

私を手当してくれた。

「かわいそう…痛かったねぇ」

「にゃー」

(ほんとそうだよ!助けてくれて助かった!)

なんとかして気持ちを伝えられないかな…とあたりを見回すが

これといった方法が見当たらない。

「よし、手当終わったよ。気を付けるんだよー」

(やばい。次は死ぬぞ、私)

お礼とか関係なく、どうにかして一緒にいられないだろうか。

(…そうだ!)

私は爪で地面に文字を書いた。

「…え?猫さん、文字書けるの?」

「にゃー」


あ り が と う 。 た す か っ た


平民の子だけど、文字読めるかな…と、書いた後に心配になった。

でも、その少女がそれを見てうれしそうにしているから

きっと読めているのだろう。

「そうだ!私ね、将来魔術師になるために頑張ってお勉強してるんだ!

猫さん、私の使い魔にならない?」

「にゃー」

(まじで!?超なりたい!)

飼い猫になれば、屋根のある家に身の安全の確保。一日3食ご飯付きだ。

しかも無料。

私の意思が伝わったのか、少女はにっこりと笑った。

「私はサラ!将来七の彗星が一人となる女!」

(七の彗星…か)

七の彗星とは、この国で最も魔法が使える7人の魔法使いのことだ。

私はその候補の一人として挙げられていた。

「猫さんは…黒猫だからクロさんね?」

(クロさん)

名前が安直すぎる。

なにはともあれ、私は転生一日目にして、屋根のある家と身の安全の確保

一日三食ご飯付きの無料物件を手に入れたのであった。

どうでしたか?

高評価等よろしくお願いします!

次回の投稿予定日…5月12日(日)

遅れたり早まったらすみません。

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