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2-22


 本屋近くのカフェ。そのテラス席。

 今日は天気がいいし、秋の空気が気持ちいい。コーヒーと甘いものを頼んで、二人で先ほど買った魔道書を開く。

 頭をつき合わせて本を覗くと、ウィルフリードの綺麗な顔がいつもよりも近い。なんだかそわそわしてしまって、少しだけ腰を引いた。


「とはいえ、普段の生活は魔道具があるから魔術なんてほとんど使わないんだよね」


 魔術師のような高等魔法を使用してそれを職業にしている人は別として、ほとんどの人が魔法をほぼ使わずに生活している。これは魔道具の普及によるもの。魔力の少ない人も不自由なく生活できるように。

 おかげで結慧も、今は不便な生活はしていない。


「はじめは魔道具の使い方が分からなくて。なにせ魔力を流すなんてしたことがなかったから」

「ああ、そうなんだね。こっちではみんな物心ついた頃から使っているからなぁ」


 魔道具の使い方が分からなかった頃、人に聞いては変な顔をされていた。向こうの世界で「冷蔵庫ってどう使うんですか」と聞くのと同じなんだろう。

 なんとか使い方を聞いても「ここに魔力を流すんだよ」と言われて途方にくれた。


「魔力を流すのはなんとか……適当にやってみたらできたのだけど」


 見様見真似で魔道具に手を当て、どうすればいいのよ!と半ばやけくそでやってみたらできただけ。ようは気功のようなものかしら、と自分の気を手から出すイメージで。結果、それで正解だったらしく今では魔道具を自在に扱うことができるようになった。

 それはそれで魔法に違いないのだけれど、火を出したり水を出したり、アニメや映画なんかでよく見るような「ザ・魔法」というのを一回やってみたいのだ。


「火や水を出したりはたまにするかな。キャンプの時なんかは覚えておくと便利だよ。あとは……機密書類を燃やす時」

「ああ、そういえばアレやらなきゃですね……」


 結局、魔法はその程度なのだと。いつか魔獣に出会った時のように、魔法をバンバン打ったりするのは特殊事例。彼らは「勇者」や「魔法使い」であり、一般人とは違う。その身に宿る魔力の量も。

 オシアスが言うには、結慧はものすごい魔力量だというが……結慧自信、あまり信じてはいない。


「もしもっと高度なのを読みたいんだったら、まずは図書館で借りるのがいいと思うよ。あとで案内しよっか」

「わ、嬉しい。ありがとうございます」


 図書館は役所の近くなのだという。それは素直にありがたい。あまり本が増えすぎると、収納鞄があるとはいえ荷物に


「あ、結慧さんだぁ~!」




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