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2-15

「術を解いてもらった事、感謝する」

「いえ、あの……はい」


 無事?に術が解けたラルドは全員の脳天に一発ずつ拳骨を落としていった。すごく容赦ない音だった。痛そう。今も全員蹲って頭をおさえている。


「聖女にはもう来なくていい旨を伝えよう。今はどこに?」

「聖女サマがこんな朝から来るわけないっスよ」

「……なるほど」


 触手が離れても記憶はある。好意的な感情がなくなった今、彼女の行動は社会人には許しがたいだろう。今発言した彼もしらけた顔。


「……あの、私ももう来ない方がいいですか……?」


 部外者なのは、結慧も一緒。立ち位置的には太陽の国の関係者と言えなくもない。それが役所で働くとなると不都合も出てくるはず。


「ユエちゃんは短期できちんと雇用契約を結ぼうね。本当は正式雇用したいんだけど」

「うん、ソウマさんすごい働くもんな」

「ていうか部長はいつの間に名前で呼ぶほど仲良くなったんだ……?」


 けれど、彼らはそんなことは気にしないと言ってくれる。みんなにこにこ笑いながら。魅了が解けた彼らはとても友好的に接してくれる。


(受け入れてもらえた、)


 この世界に来て、はじめて。


「では誰か雇用契約書を人事から貰ってきてくれ」

「はーい、いってきまーす」

「その間に何か質問などあれば答えるが」


 ラルドが直々に質問を受け付けてくれるらしい。気になる点、というと……


「できる範囲で構いませんので、何をされている部署なのかを教えて頂ければ、皆さんのサポートもしやすいかと」

「……まさか誰も何も説明していない?」


 うわ、と引く人。マジ?と驚く人。ウィルフリードは苦笑い。ラルドも思い当たる節があったのか、額に手を当てて眉間にシワ。魅了のせいだから仕方ないですよ、と一応フォローしてみる。


「あとお給料のこともお伺いしていないので、それも…主にお給料の行き先のことで」

「……すまない……」


 やっぱり結慧の働いた分も聖女へ渡されることになっていたらしい。というより、やっぱり聖女の慈善活動じゃなかったんだコレ。聖女に給料って、と思うがそれはきっとルイが口を挟んだんだろう。

 聖女の扱いについてと一緒に、後程ラルドが話をつけにいってくれるとのこと。


 陽菜の魅了は、結慧が解けば二度とかからなくなるらしい。オシアスの言うことだから信じても大丈夫だろう。もしも何らかの事情でまた魅了にかかって帰ってきたとしても、またお茶を飲ませればいいだけだし。




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