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猫と私  作者: すいか姫
3/7

私と猫

緊張状態の一人と一匹はどうなるのか


障子の縁と柱の間に顔を挟むようにしていたので、わずかばかりでも身を引かなくては障子は閉められない。


彼女を驚かせないように、と、ゆっくり体を部屋の中へ戻し、引手にかけたままだった指へ反対方向の力をかけようとした瞬間、私はそれまで見ないふりをしていたはずの猫の方を見てしまった。


それはわざとではないのだが、もしかすると障子を閉めたら彼女はどうするんだろうという私の意識がそうさせたのかもしれない。


そして、まんまと猫と私の目線が重なってしまった。再び。



しまった、と思ったが、今更慌てて動くと彼女を驚かせそうだし、かといって目線だけをそらすのはいかにも彼女を意識していますよ、というのが当の猫にばれてしまいそうで嫌だ。




そう思って身動きがとれなくなっていた私を彼女がどう思ったかは知らないが、動けない私を一旦じっと見つめた彼女は、そのあとゆっくりと上げたままになっていた前足を下した。


次にゆっくりと顔を前に向けると、今度は何事もなかったかのようにゆったりと歩き出した。


そして彼女の一挙一動から目を離せないままの私を置いて、さっそうと我が家の庭を横切り、お隣さんの生垣の下を潜って姿を消した。




私はというと、猫が姿を消した後もしばらく動けなかった。


猫が戻ってくるわけがないのは重々承知しつつも、お隣の生垣を見つめたまま動けなかったのだ。



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