Memory まだオレたちがハーシュエス家にいた頃の話
どの世界でも、基本的に子供はお友達を作ってお外で遊ぶものであると思われている。
これまたどの世界でも、友達を作らなかったりインドア派だったりする子はちょっと変わった子だと見られる。前の世界だと時流的に屋外で子供が無邪気でいられる環境ではなかったり、この世界だと生活領域の外は魔物と遭遇する可能性があったりとアウトドア派もそのうち消滅しそうではあるが。
そんな中、ユリフィアス・ハーシュエス君はバリバリのアウトドア派であった。
ただし、家の手伝いを済ますと、人知れず生活領域の外に出て、人知れず魔物を討伐し、人知れず戻り、なんか色々やってるらしいことがわかるのみという孤独な少年であった。
で、引きずってくるものが魔物だったり土の入った袋だったりそこそこのサイズの木だったりとか、変な子供であった。
つまり見る人から見ればオレは得体のしれないクソガキであったわけだが、悪意を持って近づくと原因不明の事故が起きたりとかそもそも遭遇できなかったりとか、ハーシュエス家の長男は次第に謎の存在となっていったようだ。姉さんが社交的だった分余計に。
それで座敷童みたいな扱いをされない辺り周囲の人間性も……という感じだが、そこは仕方ないだろう。魔法という奇跡があっても、オレにとって奇跡なだけで日常。変な奴はどの世界でどうあがいても変な奴だ。
というわけで、将来的に姿を消す可能性も考えて極力隠密行動をとっていたのだが、姉さんは必ずオレを見つけていた。当時は当然、魔力探知なんてできない。推理なのか勘なのか神がかり的偶然なのかはついぞわからなかったが、本当によく見つけられるなと心の底から感心したものだ。
まあ、オレの方も本気で振り切って逃げようとか思わなかったし、近づいてきたら魔法の練習をやめたりしていたわけで、実際に何をやっているのかなんてのは知られることはなかったと思う。
あの日までは。




