表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風魔法使いの転生無双  作者: Syun
(6)
49/239

Interlude 残された者の雑念

「やることもないのにどこにも行けない。地獄ぅー」

「……仕事中ですよ、隊長」


 書類仕事を手伝ってくれてるアンナに咎められるけど、コレだっていらない仕事なんだよね。

 まあ、王国の戦力である以上訓練は必要なんだけどさ。それでムダに怪我してムダに予算使ってどうすんのかな。


「いっそのこと、ダンジョンの周回して素材回収でもしてくれば収支計算合うんじゃない?」

「かもしれませんけど、冒険者ギルドの領分を侵すのも良くないでしょうし」


 そこは士団管理のダンジョンを、って、それも騎士団から苦情が来るか。いや、エルブレイズ殿下に話を通せば……ダメかな。


「そもそも、どちらにせよ書類は増えるのでは?」

「言われてみればそうだ。ダメか」


 あーもう世の中うまく行かない。私もステルラとかシムラクルム行きたかったな。


「……旅団を組んで遠征演習とか」

「それは悪くないかもしれませんね。ただ、日程や出入国の調整に数ヶ月は掛かりそうですけど」

「アレもコレもダメかー」


 ホントにままならないなぁ。

 これ以外の生きる道なんていくらでもあるけどね。


「アンナはさ。言い方悪いけど腰掛けの予定だったんじゃないの?」

「唐突ですね。ええ、隊長に誘われた当初はそのつもりでしたけど、案外向いてるかなって。やりたいこともやれて結構自由ですし」

「そっか」


 だったら、引き込んだかいもあったかな。

 逆に私は戦うことしかできなくて、それも半ば封じられてるから不自由に感じてるのかな。

 それでも両殿下に認められてるし、そもそもそういう意図で私は士団に入ったけど、間違ってたのかな。ユーリと一緒に行けば、今とは違う道が、


「だから、隊長、いえ、フレイアさんには感謝してるんです。ありがとうございます」

「え? あ、うん」


 そっか。私がここにいた意味もあったんだ。

 そうだね。アイリスちゃんのこともそうだし。意味ないってことはないのか。


「こちらこそありがとね、アンナ」

「はい?」


 まあ、私の心の内は伝わらないんだろうけど。それでも、ほんとにありがとね、アンナ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ