Interlude 本来の転生プラン
「ねぇ、ユーくん」
「うん?」
名前を呼ぶと、お茶のカップに口をつけながらユーくんはわずかに首を傾げた。
昔から年下に見えないときはあったけど、転生の話を聞いてからは半々くらいで、今はふとした時以外は年上に見える。でもなんでもないときのその姿は誰が見ても年下で。
だからこそ気になったのかな。この環境のこともあるんだろうけど。
「転生したら赤ちゃんになっちゃうわけじゃない? そうするとこうやってララさんたちとの年齢が違っちゃうわけだけど、そこはどうしようとしてたの?」
「「「う、むふっ」」」
ララさんを始め、アカネさん以外の前世からの知り合いの人たちは軽くむせちゃったみたいに見えた。突然の話でごめんなさい。
聞いた感じだと、フレイアさんの提案があってからみんなでリーズさんの魔法による年齢退行を考えたみたいだけど、つまり当初はそういうことは考えてなかったっていうことだよね。
いくらララさんたちのところに行くのが早まったとしても歳の差は無くならない。でもそこを考え無しでって不誠実でもあるし、ユーくんらしくない気もする。ユリフィアス・ハーシュエスになってからは色欲封じで抑えられてた気はするけどね。わたしたち家族の前からいなくならなかったことも。
ユーくんは持ってたカップを置いて、ため息一つ。
「時間は巻き戻らないってのはあるけど、前倒しにする分にはどうにでもなるからな。リーズもやってたし」
「はい……時間加速なら……ユーリさんと出会ったころには……できていましたね」
「必要なのは魔力の成長ぐらいで、それはある程度どうにでもなるって思ってたからさ。外見はそれで解決しようと思ってた」
時間加速。早く歳を取るってこと?
そっか。そういう方法があったんだね。
「っ、だったらそれを使えば早く大人の女性に……」
レアちゃんが焦ったような期待したような顔で呟く。わたしも少しだけそう思っちゃった。
けど、ユーくんは苦笑して首を振った。
「そこまで急いて大人になる必要も無いし、体外的な顔があるのに無理だろ。オレの場合は単にユーリ・クアドリに戻ればよかったわけでさ。今となっては安易な考えだったよ。さすがにここまで交友関係が広がるとは正直思ってなかったけどな」
ユリフィアス・ハーシュエスとしての繋がり。それを作っちゃったのは本当はわたしのせいなんだろうけど、もうそこは落ち込まないって決めた。ユーくんもそんなこと思わなくていいって言ってくれたからね。
でもそっか。ほんとはそうなってたんだ。
もしもユーくんがそのとおりにしてたら、わたしはどうなってたかな。ユメのところやセラちゃんのところくらいの関係だったら。
物事って、不思議だね。でもこの不思議は悪いことじゃないなって、本当に思う。ユーくんにとっては予想外でも。




