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風魔法使いの転生無双  作者: Syun
(15)
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間章 ティアリス・クースルーと精霊の秘密

 そう言えば。


「エルフェヴィア姉。火精霊サラたちはすごく流暢に喋っている。なんで?」


 旅のこともだけれど。それも聞いておきたかった。

 基本的に。声自体もある程度関係性が深まらないとはっきりとは聞こえない。だからお父さんの周りにいる精霊たちが身近だったけど。舌っ足らずと言えばいいのか抑揚が薄いというのか。そんな話し方をしていた。

 ワタシに力を貸してくれている水精霊ウンディーネもまだその傾向がある。ちょっと感情が薄いような。


「ああそれね。たぶん、付き合った相手の性格と長さの問題と分けた霊力の量かな。里だといろんな性格の精霊がいたよね」

『ぼくみたいな土精霊ノームもいたし』

『我のような火精霊サラマンダーもいたな』

『わたくしのような性格の風精霊シルフィードもいましたし』

『ティアの水精霊ウンディーネは私に近いかな?』

『じぶんでは。ティアと風精霊フィーねえさまと火精霊サラにいさまにちかいかと』


 ふむ。なるほど。主に年の功。

 でも。霊力を分けることならできる。今のワタシの霊力がどれだけあるのかはわからないけど。

 手のひらで掬うように水精霊ウンディーネを抱き留める。


「ワタシの霊力。受け取って。水精霊ウンディーネ


 魔力と霊力を選り分けて手のひらの上に集める。それを水精霊ウンディーネに供給。いつも分けてるのよりずっと多めに。


『はい? はえ? あわわわわ? ティア? そんなにきゅううううう……?』

水精霊ウンディーネ!?」


 なんで!? 水精霊ウンディーネがすぐに目を回して気絶した。床に墜落するのは止められたけど。


『……ティアリスよ。物事には限度というものがある』


 土精霊ノゥに怒られた。ワタシのせいなの。これ。


「えーとね? 精霊にも魔力酔いっていうか、霊力酔いみたいなのがあるみたいなの。だから、ってもう言わなくてもわかるか」


 魔力酔い。欠乏の逆。魔法使いであれば一度はその経験はある。

 頭痛。吐き気。目眩。前後不覚。あれは辛かった。


「知らなかった。ごめん水精霊ウンディーネ。ごめんなさい」

『いいえー……ワタシのしゅうれんも……まだたりなかったんですわねー……』


 のんびりやっていくしかないのかな。ワタシが彼女といられなくなるまで。それがいつになるのかはまだわからないけれど。

 それでももしも。ワタシに子供ができたら。その子の力になってあげてほしい。それまでよろしくね。水精霊ウンディーネ

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