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風魔法使いの転生無双  作者: Syun
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Interlude ティアリスとエルフェヴィアと

「エルフェヴィア姉」

「ん? どうしたのティアリス」


 今日のお泊り。ワタシはエルフェヴィア姉と同じ部屋にしてもらった。話すことも山ほどある。


「なんでユリフィアスと知り合いなの」

「え? なんでってユーリが言ったとおりだよ?」


 ……間違えた。


「ごめん。こうじゃない。エルフェヴィア姉までユリフィアス……エルフェヴィア姉の時はユーリか。知り合いなのは偶然がすぎる。それだけじゃない。無限色の翼プリズムグラデーション・エールとかいうのもメンバーが異常すぎる」

「あー、言ってたねユーリも。みんな悪い気はしてないけどね」


 異常の根源であるユリフィアスの言うことは当てにならない。

 なんて。いつもそうは言うけど。なんだかんだでユリフィアスは真面目な顔しながら適当なことは言わない。仮説がおかしかったり発想がぶっ飛んでることはあるけど。その理由もある程度わかったにしても。


「でも確率的にはありえるんじゃないかって。知り合いを何人か通すと世界の人みんなが知り合いになるっていうのもあったらしいよ」

「それでも。こうしてエルフェヴィア姉とワタシがユリフィアスの知り合いになるというのは」


 どんな低い確率を引き当てているのか。作為を感じずにはいられない。ユメと聖女様やセラディアとフレイアさんのこともそうだけど。

 ただ一人ならわかる。ワタシにとってのエルフェヴィア姉のように。それに比べてユリフィアスはあまりにも重大な出会いが多すぎる。ルートゥレアやセラディアが言ったように。どんな確率ならあり得るというのか。


「なんかね。ユーリのいた国だと大都市は一〇〇万人とか普通にいて、そんな街がいくつもあったんだって」

「ほう。……ん?」


 ひゃくまん。王都の住人が何人いるかはわからないけど。魔法学院が一学年一〇〇人くらいで三学年と研究院生と教員で四〇〇人いないくらいだから。その二千五百倍。懇親会は必ずしも全員参加だったわけではないから四〇〇人全員と顔を合わせたことはない。四〇〇という数すら正しく思い浮かべられない。

 あとは。王都には騎士学院と家政学院と商科学院と工科学院がある。生徒数を詳しくは知らないけど。それでも単純計算で二〇〇〇人くらい。その人数でも五百分の一に過ぎない。たぶん王都民はそんなにいない。


「で、その日本の人口が一億二千万人くらいだって」


 い。いちおく。にせんまん。


「それで、世界には七十億人近くいたんだって」


 ななじゅう。

 おく。

 それは。なんばい?


「それに比べるとこの世界の人口は少ないわけだから、そういうこともあり得るのかもってさ。ユーリには魔力探知もあるもんね。それでも出会ってない人のほうがずっと多いし、って」


 それは当然だ。王都で生活していても名前も知らなければ交流のない人のほうがずっと多い。

 でもそれがこんな偶然の答えになるかというと。どうだろう。


『ぼくはユーリに出会えてよかったけどなー』

『同感ですわね』

『あーもうユーリ素敵素敵素敵。あの風の魔力はそのうちレヴにも届くんじゃないの? 早く早く早く直接お話がしたいー』

『……随分入れ込んでおるな、フィー。気持ちはわかるが』


 エルフェヴィア姉の精霊達がユリフィアスを褒める。

 不思議な感じ。精霊が言うとそうなのかもと思ってしまう。ワタシの中のエルフの血のせいだろうか。


『でも。たまにティアにいじわるするんですのよ。あのこ』


 けれど。ワタシに力を貸してくれる水精霊(ウンディーネ)はあんまりユリフィアスの味方をしない。霊力を貰っている人の影響を受けるとか?


「ティアリスもユーリに言いたい放題言ってるじゃない」

「だって。あれはぶっ飛んでいる」

『そうそう。そのとおりです』

『ユーリとアイリスもいい姉弟ですけれど、貴女とユーリもまるで姉弟のようですわね。いえ、わがままな妹かしら』

「異議あり。絶対にワタシの方が姉」


 いや違う。ワタシはユリフィアスの姉ではない。姉貴分ではあるけれど。

 いや待て。ユリフィアスの方がずっと年上だった。つまり。あしらわれている?


「……業腹。ユリフィアスにはワタシへの敬意を要求する」

『むう』


 ワタシとウンディーネの意見は一致している。でも本気で嫌いならもっと遠ざけるような動きをしてしまうはず。

 言うまでもなく。ユリフィアスがそうすべき人間なんて思ってはいないけど。


「ティアリスが悪人ならユーリはそういう扱いをするよ。だからもう少し歩み寄ってみれば……ってそんな必要もないのか」


 む。エルフェヴィア姉にしたり顔をされた。さすが二百年の年の功は伊達じゃない。

 仕方ない。セラディアはユリフィアスの監視役をするって言ってた。ならワタシもそれに付き合うだけ。


「わかった。これ以上誰もユリフィアスの毒牙にかけさせない」

「え? なんでそんな結論?」


 エルフェヴィア姉が首を傾げているけど。もう気にしない。

 ユメは手遅れの気配がある。レリミアもユリフィアス寄り。よし。明日セラディアと正式に同盟を結ぼう。



 ……おかしい。何かを忘れているような気がする。とても大事なことを。

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