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Not Found  作者: れい
高校生編Ⅰ -出会いと始まり-
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新学期、新しい風②


教室に戻り、廊下側の一番前の席に座る。目の前が扉なので、通りすがりに「相澤くん、また学年トップなんだね!」とか「2年連続すごいね!」とか、初対面の女子に声をかけられるので、「ありがとう」とそれなりの笑顔で返しておく。


先程紹介があったクラス担任が教卓につく。生徒たちの反応は予想通りで、彼氏いるのかな、なんてひそひそ声が聞こえてくる。

先生の自己紹介が終わり、学生の番だ。こういうのは大抵名前順になるので、自分からするわけだけど、特に言いたいこともないのでシンプルに「相澤流星です。1年間よろしくお願いします。」と軽く頭を下げる。すると、クラスのお調子者ポジションの奴や、陽キャたちから「よっ、学年首席!」みたいなことを言われたので、ここは愛想良く「やめてよ笑」と照れ笑いをしておく。目線を教卓の方に戻すと担任と目が合い、人懐っこそうな笑顔で「首席おめでとう!」と言葉をかけられたので、「ありがとうございます」と会釈した。


続いて各々自己紹介をしていく。挨拶の内容は友達になってください系か、サッカー部の―に始まる部活系か、あるいは自分みたいなシンプルパターンか。さっきのお調子者や陽キャ達は、奇を衒ったことを言ってみんなの印象に残る挨拶をしていたようだ。俺はあまり覚えてないけど。

順番が回り、最後の生徒だ。

「じゃあ最後、和久井翼くん」

返事がない、窓際の1番後ろの席を見ると寝ているようだった。新クラスの挨拶の時に寝るか、普通。と思いながら、唯一1年の時から同じクラスの奴がいたことに気づく。

「和久井くんー?」と先生が少し大きな声で呼べば、彼は気だるそうに起きて

「…、あー、和久井翼です。」とだけ挨拶した。

愛想のかけらも無い自己紹介だけれど、彼はバスケ部のエースで学校1と言っていいほどのイケメンで女子からも男子からも人気のある、いわゆるモテ男だ。人見知りなのか、話すまでは愛想なく冷たい印象を受けるが、一度話してみると結構気さくなやつで。1年の頃はすごく仲がいいわけではなかったけど、何度か席が近かったり、校外学習の班が一緒になったりしてそれなりに話したことのあるやつだった。


ホームルームも一通り終わり今日はこれでおしまい。下校の準備をしていると、すぐそばのドアから「つばさー?かえろー」と大きな声とともに、これまたキラキラした男が入ってくる。

「おまえ、ズカズカ入ってくるとかよくできるな」と翼に言われているこの男は同じくバスケ部のチャラ男、瀧純平だ。こいつも1年の時に同じクラスだったのでそこそこ面識がある。

「あ、あいちゃんじゃん。やっほー」とこちらに気づき声をかけてくる。

「その、あいちゃんってやめてよ」

「えーいいじゃん、かわいいから」 とか言ってくるから、わけがわからないし、キラキラって怖い。

カバンを持って純平のところに向かってきた翼と目が合う。

「相澤、一緒のクラスだったんだ、よろしく」とこちらはまともな呼び名で話しかけられるので、

「うん、翼もよろしく」と、今になって知り合いが居ることに安心したのか、自然と笑みがこぼれた。



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