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狂笑の召喚士  作者: 童慈
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4話

「信じられない。魔減病が完治している。」


カラドリオスに病を吸ってもらった後、本当に治っているかの確認のために医者にみせることになった。


「先生、もうザックは大丈夫なんですか?」


「ええ、何故治ったのかはわかりませんが、完治しています。今はまだ魔力が少ないから寝ていますが、2日もすれば起き上がってくるでしょう。」


ミーシャさんの目からは、嬉し涙が溢れていた。


空気を読んだ医者は私はこれでと言い、診療所へ帰っていった。


「シュバルツ君、ザックを救ってくれて本当にありがとう。」


「シュバルツ、俺からも改めて礼を言う。ありがとう。」


2人に感謝を述べられて、少し恥ずかしくなってしまう。


「俺はロックさんから受けた恩を返すためにザック君を助けただけなので、感謝されるような事はしていませんよ。」


2人から顔を逸らし気恥ずかしさから言い訳をする。


「そうか、なら今度は俺がシュバルツから受けた恩を返す番だな。」


「さっそく恩返しだ、これ持ってけ。」


ロックさんがこちらに一枚の封筒を渡してくる。


「何ですかこれは?」


「冒険者ギルドへの推薦状だ。そいつがあれば、ギルドで便宜を図ってもらえる。」


今の自分にはかなり有難い物を貰ってしまった。


「ありがとうございます。」


頭を下げると共に感謝の言葉を放つ。


「冒険者ギルドは家をでて、西に10分程行った所にある交差した剣の看板がある大きな建物だ。」


「わかりました。行ってみます。」


「シュバルツ、登録できたら家に戻って来い。お前が一人で生きていけるようになるまでは、俺が面倒みてやる。」


ロックさんに深く礼をして、家を出る。


「冒険者ギルドは西だったよな。」


口に出すことで確認しなおし、ギルドへ向かう。


ギルドに向かう途中周りの風景を見ながらギルドを探す。


10分程歩いているとそれらしい建物を見つけたのだが…


「ゲームにあるタイプのやつとソックリじゃん。」


そんな事を思ったが、とりあえず中に入ってみる。


中に入ると受付に並ぶ人の列と、テーブルで飲み食いしている人の姿があった。


登録するために受付に向かうが複数ある受付には人が並んでいる。


しかし一番端の受付には誰も並んでいなかったのでそこに向かう。


受付にいる男性はかなりの強面だった。ロックさんが山賊の頭領ならこの人はマフィアの首領といったところか。


「すいません。登録をお願いしたいのですが。」


「ああ、分かった。しかしお前さん何で俺んとこに来たんだ?普通男なら美人な受付嬢がいる方にいくもんだが。」


「え、だって一番空いてたのがココだったので。」


率直な思いを男に伝える。するとそれを聞いた男は一瞬ポカンとした後、笑い出した。


「え、俺なんか変な事言いました?」


「いやぁ、そんな理由で俺みたいな強面の前に来るとは思ってなかったからな、それが面白くってよ。」


「笑わせてもらった事だし登録始めるか。それと俺はココのギルド長をやってる、ヴェルトってもんだ。」


そう言うと厳つい顔を歪めてまるで殺人鬼が獲物を前にしたときのような笑みを浮かべた。子供ならあまりの恐怖で泣くことは間違い無い笑みであった。


「自分はシュバルツです。…今何て言いました?」


今おかしな事を聞いた気がした。聞き間違いかと思いもう一度尋ねる。


「聞き逃したか?俺の名前はヴェルトだ。」


「その前です。」


「ここのギルド長をやってる。」


何故ギルドの受付にギルド長がいるのか。頭の中でぐるぐると様々な事を考える。そして至った結論は。


「そうですか。よろしくお願いします。それと衛兵長のロックさんからこれを渡せと言われたのですが。」


気にしない事にした。


「マジかお前。流されなのは初めてだわ。んでロックからの推薦状だぁ〜?」


ヴェルトさんは懐から取り出したナイフで封筒の封を切り目を通す。


「よし、わかった。お前さんついてこい。」


「はい、わかりました。ところで、どこにいくんですか?」


「んなもん決まってんだろ。」


屈託のない笑顔をこちらに向けてくる。


「訓練場で実力検査だ。」

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