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狂笑の召喚士  作者: 童慈
2/11

1話

寝そべっていた体を起こし、周りを見渡す。


あたり一面に広がる草原。家やビルの姿はなく唯々広がる草原。


「異世界に転生したってか?おかしな事もあるもんだな。」


俺は案外あっさりとこの状況を受け入れていた。トラックに撥ねられた衝撃はありありと覚えている。

きっと俺はあの時死んで転生したんだろうと思うことにした。


「異世界だしステータスとかあんのかね。」


すると目の前に半透明のプレートが出てきた。


ーーーーーーーーーーーーーー

名前:No name

種族:異世界人

職業:召喚士

年齢:18

レベル :1

【スキル】

・言語理解・召喚魔法・水魔法・風魔法・闇魔法・魔力増強・魔力高速回復

【称号】

・転生者・憎悪の依代

ーーーーーーーーーーーーーー


ステータスの転生者を見て俺はやっぱりあの時死んだんだろうと言う確証を得た。


元の世界での人生こそ終わったしまったが、せっかく拾った第二の人生楽しんでやろうじゃないか。


「まずは人里を見つけないとな。」


とりあえず真っ直ぐ進んでみることにした。


いまだに開いたままのステータス。これどうやったら消えるんだろうかと思っていると、ステータスが消えた。心の中で出ろと念じるとステータスが出た


ステータスは念じるか口で出ろ、閉じろと言うことでもいいことが分かった。


前に進みながらスキルの事を考える。


召喚魔法の事に意識を向けると、なんとなくだが使い方がわかった。他の魔法も意識を向けると同じような感じでなんとなくだがわかった。


共通することは魔法はイメージが大切であり、使い続けることで範囲・威力・操作性が上がっていくようだ。


俺は人里を探すついでに、自分の周りの風を操り微風を吹かせたり、霧状の闇を出したり、小さな水球を浮かべ四角形にしたひ三角形にしたりして、魔法の訓練をしながら進む事にした。


〜2時間後〜


やっと人里を見つけることができた。里と言うよりは街だがそんなことはどうでもいい。


顔に街を見つける事のできた安堵を浮かべ、街へと歩を進める。


街は10メートル程の壁に覆われているようだ。


しかし様子がおかしい。門の前で衛兵らしき人影達が門の前に集まった緑色の何かと戦ったいた。


「絶対に街にいれるな!」


戦っている衛兵の隊長らしき人が声を張り上げている。


近づいて様子を見ようと思い近づくと緑色の正体がわかった。


ゲームなどに出てくるゴブリンと言う魔物だろう。そのゴブリンが100匹以上で門の前に集まった衛兵と戦っていた。


一端離れて様子を伺おうと思っていたのだが、ゴブリンの何匹かに気づかれてしまった。


「なんで街の外に人が!早く逃げろ!」


衛兵の隊長が逃げるように言ってくるが足が動かない。


「ゲギャァ!」


生まれて初めて向けられた殺意に足が竦んでいた。


(何か、何か助かる方法は!?)


道中鍛えていた魔法も焦りで上手く操れない。


最後に残った召喚魔法。一度も使っていないがこれに全てをかける事にした。


召喚魔法は魔物を呼び出し使役する魔法だ。召喚される魔物は召喚士が召喚する魔物の特徴、名前を詠唱することで決めることができる『指定召喚』。召喚士の力量によって出てくる魔物が変わる『力量召喚』。そして何が出るかはわからない代わりに自分が扱う事ができないような強力な魔物を召喚できる可能性がある『無差別召喚』。しかし可能性があるだけで自分の実力で召喚できる魔物より弱い魔物が出ることもある。言うなればガチャである。


危機的状況で、しかもぶっつけ本番で使う魔法じゃないが今生き残るにはこれしかない。


『我が魔力に応え、我を守護せし物よ姿を現せ。』


『無差別召喚!』


目の前に魔法陣が現れ突風が吹く。あまりの勢いに目を閉じる。


2〜3秒で風が止み目を開けると、目の前に黄色い衣を纏った何かがいた。


フードを被っている顔は何も見えず、ただ闇がフードの中を満たしていた。


『何ようだ?矮小なる人の子よ。』


頭の中に声が響く。声の正体は目の前の魔物だとゆうことが直感でわかった。俺は迫ってくるゴブリンから助かるために命令をする。


「頼む。目の前のゴブリンから俺を助けてくれ。」


俺は魔物に頭を下げて懇願をする。


『お主地球人か、なるほど、それならこの異界の地で我を呼び出せた理由にも合点がいく。して命令はあの緑色の物を殺せば良いのだな。』


「ああ、そうだ。」


『承知した。』


魔物が承諾してくれた事に安堵の息を吐く。


魔法を見ると奴はゴブリンの方へ手を向けていた。


『久しぶりの現界だ。せっかくだ、景気良くいこうではないか。』


その言葉の後、ハスターの周りに黒い竜巻が発生した。始めは1本だったが2本3本と数を増やし最終的には10本もの竜巻をおこした。


『さあ、我が風の前に散るがいい。』


暗い愉悦を滲ませた声をあげながら、魔物は黒い竜巻をゴブリンに放った。


黒い竜巻は200メートル程の距離をほんの数秒で踏破しゴブリンを飲み込んでいった。


「ギギィィィァァァ!?」


「ゲギャァァァ?!」


「ガァギャァァア?!」


『ヒヒひ、ヒャーハハハ!良き声で哭なくではないかぁ!啼け、喚け、悲鳴を上げろ。我を楽しませろ!イヒヒはーハはハヒァア!』


黒い竜巻に巻き込まれたゴブリン達は体を切り刻まれ、体が風化していき塵となった。


「助かった。あれ?」


安堵から声を漏らすと、急に力が抜け倒れた。目蓋が重くなり自然と目が閉じていく。


『ん?召喚主よ魔力切れか?楽しい時間は短いものだな。』


『要があればまた呼ぶといい。現世で遊べる機会は貴重ゆえな。』


「お前はなんなんだ?」


『我が名はハスター。風のエレメンタルにして神である。』


ハスターのその言葉を聞くと、俺は気を失った。


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