第1章 遭遇
食糧危機に陥った星から飛び立った昆虫型エイリアンが、地球を舞台に奔走するシュールエイリアンコメディー!
強烈な飢餓感を感じる。身体は硬い何かに包まれている。
激しく動くと外すことができた。
辺りは柔らかい何かが茂っている、見たことがないものだ。
そのうえ燃えている、自分の周りは焦げて黒くなっている。
わかっていることは、自分は黒き星からここへ来たことだけだ。
何かが聞こえる、こちらへ向かってくるのだ。本能的にその場から
動くべきだと考えて、茂っている何かの中に身を屈めて潜り込んだ。
「隕石だ!」「こんな所に隕石だ!」
何かは大きな音を発している、音を発する器官なら自分も持っているが独特だ。
意思疎通を行なっているのだろうか。いや、ただの感情表現なのか。茂みから覗いて見てみると、驚いた。
見たこともない生き物がいた、思わず声を上げそうになったがこらえる。
なんなんだここは、見たこともないモノだらけの景色に知らない生き物だ。
ここはどこなんだ・・・自分はどこへ来てしまったんだ。
しばらく見たこともない生き物の様子を見ていると去って行った。
茂みから出るのは今しかないと思い茂みから這い出てみると、
また音がした。しまったこれは間違いだったのかもしれない。
「な、なんだこいつ!」
音を発した生き物は動かなくなった。どうしたんだ?
なぜ動かない?どういったことだろう。この生き物に見つかった時点で、
慌てて逃げ出すことを選択しに入れていたのだが・・・ひょっとしたら、死んだふりをしているのか。
考えていても答えは出ないが、一先ずはこの場所のことを調べることが最優先だろう。なら一つ考えがある。
そうだ、この生き物に擬態しよう