1話
冒険者になって1ヶ月、少しずつなれてきた。初めはどうなるかと思ったが、優しいパーティの人たちに拾われて、なんとやっていけてる。
魔物を倒し、生計を立てる冒険者にとって仲間を作ることは必須条件なのだ。
あまり人付き合いの得意でない私にとって、大きな懸念点だったのだが、女性冒険者は珍しいのか思いの外、多くのパーティに声をかけられた。
でもやっぱり、冒険者の男の人たちは強面のひとばかりで少し怖い。 どうしようか悩んでいた時に、声をかけてかれたのがユウキさんだ。 ユウキさんは女性だけのパーティのリーダーで、もとは男性のいるパーティに属していたらしいが、あまり良くない扱いを受けたらしく、女性のみのパーティを結成したのだ。
ほうとうに、ありがとう、ユウキさん… (泣)
1ヶ月もたてば少しは慣れてきて、ギルドに所属する人たちの顔を少しずつ覚えてくる。
だいたいの人たちがみなパーティを組んでいるのだが、数人、ソロで活動してる人たちがいた。
その中の1人に私ぐらいの歳だろうか、黒髪の男の子がいた。
ときどき人と話すのを見るが、ほとんど一人でいて、クエストもひとりでこなしているようだった。 昔から人付き合いが苦手な私にとって、人と距離を詰めて話すのは、人生最大の難関だ。
だから、一人で過ごす彼らになんだか自分をかさねてしまったのだろうか。
「こんにちわ…、えっと、、、あー、、、その、
いっつも一人でいますけど、友達いないんですか?」
私の第一声は煽りのような、、、最低な、、、
ものになってしまった。
パーティを組めて、調子にのっていたのだ。
自分の会話技術が上がっているんじゃないかと。