侍が往く
非常に短い作品となっております。
試験的に練習として書いてみたものです。気軽にお読みください。
江戸時代。そこは寂れた城下町だった。
男が町娘に絡む様子が窺える。
それを見て止めに入ったのは、正義を重んじ、悪を斬る、一人の侍だった。
だが、なんたることか、絡んだ男の正体は、この城の主であった。
城主は侍を咎め、死罪を与えようとする。
しかし、救われた町娘が言うには、この城主、民の金銭を不法に奪い、繁栄に微力たりとも尽くさない。まさに、悪人と。
侍は、己を善とする城主の態度に激昂し、刀を振り下ろす。それを止める者も、もはや居ない。刃は城主の首を跳ねとった。
事後、町は活気に溢れ、侍は讃えられた。
彼の者、歩む道に悪あれど、己の正義に刀を振るう。
まさに、「侍なり」と人は云う。
ありがとうございました。