白髪のおじいさん(貝人)
私はバイトをしている。高校生から初めて早4年この店ではベテランだ。いつも同じ時間に買いに来るお爺さんが居る。時間は決まって16時だ。
誰にでも愛想がいいが、私は何故かそのお爺さんが苦手だった。
「いらっしゃいませー」
「今日も頑張って居るんだね」
「はっはあ、ありがとうございます」
私は無難な返ししかしていない。
「君には食材の心が見えるかね? 」
「えっ? 食材の心って何ですか? 」
「ふむ・・・未だ早かったようだね。こちらを貰うよ」
それだけ言うとお爺さんはあんぱんを買って帰って行った。私はお爺さんに言われた、食材の心について考えていたが、ろくな考えは浮かばなかった。
「あ〜んぱ〜んち」
テレビでは炎上してメディアに取り上げられたヒーローのCMがやっていた。
次の日も同じ時間にお爺さんは来た。
「食材の心って・・・愛と勇気とかじゃないですよね? 」
私はお爺さんに聞いてみた
「は? 君大丈夫かね? この世にそんなもんがあれば彼奴はあんな事でマスゴミに・・・・」
白髭のお爺さんは何も買わずに帰ってしまった。
それ以来お爺さんは私のパン屋に来なくなった。