第7章 2話
コケッ、コケコッコー!!
本日、二万羽のニワトリが無事届けられた。さすがにこれだけの数がいると鳴き声がうるさい。鳥インフルエンザとか蔓延しないといいな。たまに治癒してあげよう。とりあえず治癒!
クッ! クェッー!! クェッー!! クェッー!!
あれっ、さらにうるさくなってしまったような。
「ちょっとタカシさん、タカシさんの治癒は体の小さな動物だと繰り返し使用することによって、止めたくても止められなくなる症状が出る可能性があるんです。むやみに使ってはダメです!」
何その症状怖いんですけど。人の魔法を薬物依存にさせる麻薬かのように言うのはちょっと酷いと思うんだレイコさん。でもなぜだろう。ニワトリさんの僕を見る目がヤバい……。以後、気をつけよう。
「う、うん。ごめんね」
改めて、いらっしゃいニワトリさん。しっかりポイントを稼いでもらおう。い、いや、こっちを見ないで。治癒はしばらく中止というか、延期? 養鶏が軌道に乗ったらね……。とりあえず頑張って卵を産んでください。
「マスター、『新潟ダンジョン』から会談の連絡が入ってるっす」
「了解。そうしたら会議室に案内してよ」
『新潟ダンジョン』からか、前のダンジョンマスターのことが何かわかったのかな? 確かカイトさんとか言ってたっけ。
「あっ、タカシさん急にすみません」
会議室に到着すると既にミクちゃんとサクラちゃん、柿の種お兄さんが来ていた。
「ううん。前回は他のダンジョンマスターもいたから話出来なかったからね。あれっ、そういえばリノちゃんは?」
「リノは『新潟ダンジョン』でオルトロスちゃんをモフッて、じゃなくて面倒みるからお留守番です」
「オルトロスちゃんと会えた、というかまた召喚出来たってことかな?」
「はい。リノの執念でしょう」
「うん。リノちゃんの執念だね」
「今日来たのは柿の種さんから聞いた話をタカシさんにお伝えするのと、私達を助けてもらいたくて来ました」
「私は『魔力操作』について聞きにきたの。いったいどういうスキルなの?」
「サクラ待って。それは後にしてよ!」
「も、もちろん、わかってるわよ。ダンジョンの話が先よ」
少し間を開けて何かを決心したように見えるミクちゃんが話し始めた。
「タカシさん、あくまでも柿の種さんの感覚での話なのですが、前のダンジョンは勇者一行に攻略されてしまいましたが稼いだポイント数はかなり上位なはずだと」
「つまり、カイトさんは蘇るということかな?」
「はい。その可能性が高いことがわかりました。しかし、問題が発生しました」
「どんな問題?」
「カイトに会うためには私達も同じくらいポイントを稼がなければならないということがわかったのです。ですが、私達には安全にポイントを稼ぐ手段がわかりません」
「だから、『魔力操作』とかコウモリとかのアイデア豊富なタカシに助けてもらいたいの! 助けてくれたら何でもしてあげるんだから」
サクラちゃん、それコウジさんに言ったら絶対ダメだからね。
「柿の種さん、今の話だけどカイトさんのダンジョンではどのくらいポイントを稼いでいたのかな?」
「そだなぁ。10億ぐらい稼いでたと思うんさ。それぐら稼げれば次のステップに進めるはずなんさ」
うちでようやく3億を超えたぐらいだから『新潟ダンジョン』で一から10億稼ぐってのは確かに大変だよね。
「そりゃまた凄いポイントだ。それにしても10億ポイント稼いだダンジョンを攻略した勇者一行ってとんでもない化物だね」
「それでタカシさん、私達を助けてはもらえないでしょうか? 私達でお返しできることは何でもします」
「もちろん構わないよ。但し、僕の言うことをちゃんと守ること」
「あ、ありがとうこさいます」




