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第6章 9話

 「な、何でタカシさんが『栃木ダンジョン』に来れるんですか!」


 足貫かれてるのによく普通に話せるな。あー、凍らせたから麻痺してるのか。


 「ミサイルがあるのに何でだよってとこかな?」


 「チッ! やはりコウジさんか。あの野郎裏切りやがって」


 「僕からしたらマヒトくんが裏切りなんだけどね。まぁ同じダンジョンマスターだからって何も隠さずにオープンであることは必ずしも良いとは思わないよ。マヒトくんがそうであったように僕もみんなにはいくつか隠していることがある」


 「と、『栃木ダンジョン』に来れた理由も、その隠していることが理由ですか?」


 「そうかもね。ところでさっきの消えるやつはスキルなの? どうやって習得したのかな?」


 「み、見逃してくれるなら教えて……っぐぁぁぁぁ!」


 くだらないことを言い出すマヒトくんに思わず土棘(アースニードル)で右腕を貫いてしまった。


 「交渉とかする気はないんだ。話さないならそれでも構わないし、喋るならとっとと話してもらいたいんだけど」


 「は、話します。話しますから、痛みを。こ、この痛みをどうにかしてください」


 「あー。治癒系の魔法は使えないのか」


 氷結(フリーズ)


 右腕の棘を消して止血代わりに凍らせた。


 「ふぐぅぁぁぁ!!」


 「さぁ、話していいよ」


 ちなみにチャオ太郎はレヴィが取り押さえており、ティア先生は『ゴーレム』達の監視及び会話が出来ないかを模索中のようです。頑張ってもらいたい。


 「このスキルは、モンスターと仲良しなあなたでは絶対習得できない。な、なぜなら『ゴーレム』達をレベルアップ要員として隊員に殺させた時に習得した裏切りのスキルなんですから」


 「裏切りのスキルね……」


 「使い勝手も悪い。このスキルは息を止めている間だけ姿を消すことができる。そして、消したい対象と手を繋いだり体に触れることで同様の効果を得られる」


 「ただ、血痕や匂いといった気配を消すことはできないってとこか」


 「そ、そうですね」


 「一応、何でこんな事をしたのか理由を聞いてもいいかな?話したくないなら構わないけど」


 「ぼ、僕はあなたが許せなかった。僕より少しだけ早くダンジョンマスターになっただけなのに。運良くポイントを稼ぎ、凄い勢いで人類を敵にまわしていく。これじゃあ、後発のダンジョンマスターは潰されるだけじゃないか!」


 あれっ? 耳が痛い。だ、だれかフォローを! ここに弁護士の先生はいらっしゃいませんか!


 「逆恨みも甚だしいですわ」


 おー、ティア先生!! って大丈夫か!?


 「タカシ様がたまたま運がいいだけのダンジョンマスターかのように聞こえましたけど気のせいかしら? タカシ様はダンジョン造りや魔力操作スキルの応用など革命的で才能溢れるお方ですわ」


 「その魔力操作スキルだって運じゃないか!」


 「いいえ違うわ。これは才能なのよ。あなたのような『かくれんぼ』スキルとはちょっとレベルが違うかしら。もしもあなたがこの世界初のダンジョンマスターだったとしても先が知れてるわね」


 「ち、違う!!!」


 「何も違わない。『ゴーレム』達も言ってるわ。タカシ様のコウモリさんでポイントを貯め、タカシ様と同じやり方で野生動物を狩り、僕たちに戦略や戦い方の指示も出さない。僕らはどう戦ったらよかったの? あなたのダンジョンはいったい何を目指してたのかしら」


 「『ゴーレム』が話せる訳ないだろうが! 好き勝手なこと言うな!」


 「あら? あの子は挨拶しようとしたら、きたない汚れるから俺に近づくな! と言われたって。あっちの少し背の高い子は、隊員にあれが狙いやすいから先ず撃ってみましょう。と話してるのを聞いたそうだけど。あなた人の良さそうな顔しておいて中々の最低っぷりね。なんというかドン引きだわ」


 さすがティア先生!! あまり期待はしてなかったけどディスり方も併せてとっても素敵です。


 「そ、そんなバカな!」


 「もうマヒトくんに聞くこともないかな。あー、そうだリナちゃんからメッセージを預かってたんだ。えーっと『ばぁぁぁぁぁか!!』だって。少なからず仲間だと思っていたリナちゃんに謝りながら死ぬといいよ」


 「うぉぉぉぉぉ!!…………」ズッシュ、ドサッ。


 最後の悪あがきで魔法を撃とうとしていたマヒトくんの心臓に土棘(アースニードル)を突き刺した。


 ピコン!

 ダンジョンマスターを討伐しました。ダンジョンマスター討伐特典として討伐したマスターの経験値及びスキルを吸収します。


 ピコン!

 『経験値』を取得しました。


 ピコン!

 スキル『透明化』を取得しました。


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