第1章 7話
「タカシ様ー。つ、通路が、うねうねしてますぅー!」
あわてているティア先生、とってもラブリーです。
「あー、ごめんごめん。ティアに言ってなかったね。今、通路をいろいろ作ってて、驚かせてしまったね」
「こ、これもタカシ様の魔力が成せる奇跡なんですね!」
ティア先生の評価がうなぎ登り中のようです。こういうの嫌いじゃないです。たいしたことしていないのに信者、しかも十代半ばの美少女に妄信的に祭り上げられる教祖みたいで好き。
「い、いや、そんなたいしたことじゃないよ」
尊敬のまなざしをひしひしと感じています。純粋な気持ちが痛いほど突き刺さって、とっても気持ちいいです。
「マスターの魔力操作はかなりエグいっす!これはダンジョン界に革命が起きるっすよ!」
ピコン!
スキル『魔力操作』を取得しました。
ピコン!
スキル『魔力操作』がレベルMAXになりました。
スキルレベルが上限に達しましたので、『ボスモンスターチケット』を入手しました。
ピコン!
ダンジョン開通前にスキルが上限に達しました。初級マスター特別支援プレゼント『賢者の杖』を入手しました。
ちょ、えっー!何が起こってるの!何故かティア先生が落ち着いてうんうんと頷いている。めずらしいパターンです。おそらく何か知っているのだろう。
「タカシ様、わかっています。これも予定通りなのですね」
全然違った。安定のティア先生でした。いつも通りすぎて逆にごめんなさい。
「マスター、これはおそらくダンジョン協会から新技術に対する贈呈品っすね」
「ピースケ、そのダンジョン協会ってのは何?」
「ダンジョンをとりまとめてる団体っす。ある程度ダンジョンが軌道に乗った頃には接触があるはずっすよ。それまでお楽しみにしてるっす!」
なんか、まだ教えてあげないよ。まだ早いわ初級マスター、ぷっ。とか、そんな雰囲気だね。まぁ、今は気にしてもしょうがないか。向こうから接触があるならその時を待てばいいさ。
「それよりも、『賢者の杖』っす!どんなアイテムっす?」
ステータスから装備欄を確認してみる。
「MP使用量半分に、魔法効果2倍に、魔力回復5%上昇。」
あっ、チートアイテム発見!
「これはまた、えげつない杖っすね。それだけ、ダンジョン協会もマスターに期待してるってことっすかね」
「タカシ様、私は『ボスモンスターチケット』が気になりますわ。マスターの素晴らしさを共有できる仲間が早く欲しいです」
素晴らしさとかはどうでもいいんだけど、新しい戦力は正直ありがたい。しかもボス級。とっても期待しちゃう。もうポイントあんまないしね。
「よし、ピースケ、魔法陣をお願い!」
「すぐ準備するっす!」
前回と同じようにピースケが魔法陣を書き上げる。
「さぁ、チケットを置くっす!」
召喚するなら水属性のモンスターが理想かな。相性の良い土属性もありかもしれない。コストパフォーマンスを考えるとやはり水属性かな。よし、水属性をイメージして魔力をチケットに込めて魔法陣の中心に置く。
すると、青い光がぐるぐると魔法陣を回りはじめる。うん。イメージ通り水属性だね。
やがて光が強くなりそこにティアが現れた。
いや、違う。ティアが腰までのロングストレートの髪なのに対してこの娘は髪を横に分けて結ぶ、ツインテール。
「はじめまして、マスター。私の名前はレヴィアタン。レヴィとお呼びくださいませ」
「レヴィ!」
ティアがレヴィに抱きついた。
「お姉さま、お姉さまもこのダンジョンにいらっしゃったのですね!嬉しい。また一緒にいられますね」
えーっと。もしかして、ひょっとしなくても。
「はい。私たち双子なんです!」