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第5章 1話

 三人組のアホっぽい女の子達が自己紹介を始めた。


 よくわからないけどダンジョンが好きなのだということは理解できたが、それにしてもモフモフが至高って何だよ。


 「モフモフは至高にして嗜好。思考はいつもモフモフ志向!イェイ」


 こいつ僕の心が読めるのか!


 「リノのテンションがおかしなことになってるわね」


 「このダンジョンにはモフモフがいる。間違いない」


 「えー!オルトロスちゃんいるの?」


 いや、オルトロスちゃん?いないからね。


 「ところでどなたがダンジョンマスターですか?案内人さんと話をさせてください!」


 うわぁー、なんかすげー面倒くさいのがいるよ。こちらはロングドライブで疲れているというのに。って、ん?案内人だと!こいつら何者なんだ?


 「僕がダンジョンマスターだけど、案内人ってどういうことかな?」


 「私たちは前世ではダンジョンのボスモンスターでした。転生してこちらの世界に来たのですが、当時のマスターや仲間に会えないかと思いここに来たんです」


 嘘をついてる感じではなさそうだね。ダンジョンに案内してもいいのかな。


 「レイコさんはどう思う?」


 「ダンジョンへの害意はなさそうですし、私自身もボスモンスターになった以上、彼女達の話には興味があります」

 「なるほどね。それにしても転生とかあるのか……。わかった。ここではなんだからダンジョンの中で話をしようか」


 そうして僕たちは女の子たちを連れてダンジョンの居住区にある会議室まで案内することにした。


 ちなみに多階層化したことにより移動が大変になったこともあって、ダンジョン内を自由に移動できる『ダンジョン内転移100万P』を取得した。これはダンジョン内モンスター全員に適用となっている。モンスタードールズの三人組は対象外のため手を握っている。対象に触れていれば移動可能なのである。決してやましい気持ちがある訳ではない。彼女らは中学生なのだから。


 レイコさんとヨルムンガンドちゃんはゴブリン達を外に出してあげるため、大森林フロアにてモンスター達の顔合わせとか住みわけの調整をお願いした。


 居住区に転移するとティアとレヴィにピースケも揃って待っていた。


 「おかえりなさいませ。タカシさま。うまくいきましたか?」


 「お兄さまおかえりなさい。そちらの方々は?」


 「みんなただいま。うーんとね。会議室でまとめて話すね。ピースケお茶とお菓子を人数分よろしく」


 「了解っす」


 あたたかいお茶と落花せんべいが人数分並ぶと僕は話し始めた。


 「『山梨ダンジョン』についてはうまくいったよ。ゴブリン達は大森林フロアにレイコさんとヨルムンガンドちゃんが連れていってる」


 「よかったですねお兄さま。レイコさんも肩の荷が降りたのではないでしょうか」


 「うん。そうだね。で、こちらの三人なんだけど……」


 「どーもー。私たちダンジョンにすべてを捧げたい……」


 「はい。ストップ!ストップ!!またやるの?その自己紹介はいらないからね」


 えっ、なんで?みたいな顔してるけど、もうちょっと普通の自己紹介をお願いしたい。


 「えーっと左からサクラちゃん、ミクちゃん、リノちゃん。彼女たちいわく転生者で前世ではダンジョンのボスモンスターだったそうだ」


 「前世の記憶を持っているボスモンスターですか」


 レヴィが信じられないという表情で僕を見てくる。普通そう思うよね。


 「彼女たちは前世で一緒だった仲間に会えないか案内人と話をしたいと言ってダンジョンの外に待っていたんだ」


 「ん?自分っすか」


 「うん。そうみたい。ミクちゃんだっけ?うちの案内人のピースケだよ」


 「ミクです。私たちはカイトというこの世界出身のダンジョンマスターと仲間のオルトロスちゃんを探しています」


 「知らないっすね。案内人は誰っすか」


 「柿の種さんです」


 「あー。自分の兄貴っすね」


 柿ピー兄弟じゃねーか。


 「弟さんでしたか。お兄さんは今どこにいるのかわかりますか?」


 「兄貴はこの世界でダンジョン候補になっている新潟にいるっす。三人ともダンジョンマスターになれる資質があるっす。行ってみたらどうっすか」


 「そ、その場所はどの辺りなんですか?」


 「弥彦山っす。細かい場所はわからないっす」


 「弥彦山……ありがとうございます」

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