表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/355

第1章 6話

 放心状態からなかなか回復しないティア先生をなんとなく、そのままそっとしておくことにして、僕はピースケとポイント交換するアイテムや、ダンジョンの相談をすることにした。


 「ピースケ、この『落とし穴30P』って自分で掘ったり、魔法でちゃちゃっと作ったらダメなの?」


 「そりゃ、ダメっすね。ダンジョンは復元力があるっす。穴を掘っても、しばらくすると元に戻るっすよ」


 「じゃあ、この『虎ばさみ20P』だけど、自分で似たような罠を作って設置しちゃダメなの?」


 「それもダメっすね。ポイントで設置したもの以外はダンジョンが吸収するっす」


 「世界中のゴミ処理場問題が一気に解決しそうだよ!」


 罠系はしばらく保留かな。一つ二つ設置したところで知れてるもんね。しかも、一度使用された罠はそれで終了。つまり、消耗品なのだ。ポイントが少ない今、使う気はない。


 そうなると、別で時間稼ぎできるものを用意したいな。あと確認しておきたいのは


 「僕や、モンスターはダンジョンから出れないんだっけ?」


 「モンスターは生きていくために魔素が必要になるっす。空気&食料みたいなものっすね。ダンジョンの外は魔素がないっすから長くは生きられないっすよ。頑張って三日が限界っすね。マスターの指示でもなければずっとダンジョンの中の指定した場所に居続けるっす。あと、ダンジョンマスターは基本的にダンジョンから出れないっすよ。確かポイント交換で外出が可能っすけど、めっちゃポイント必要っす」


 なるほど、モンスターなら出られると。あとは、いろいろ実験だな………。


 「『通路(石壁)5P』だけど、幅とか長さってどのくらいあるの?」


 「そうっすね。幅3メートル、長さ10メートルぐらいっすね」


 「とりあえず、入口と神殿を繋ぐのにポイント交換っと」


 その際、魔力を込めて念じる。道幅は、そうだな1メートル。蛇行させて奥がみえないようにして長さは30メートルに設定して設置っと。体から魔力が抜けていく。この感じは…。


 あははっ。まさかとは思ったけどイメージ通り上手くいった。魔法の時に思ったんだけど、魔力の質の高さがこういう効果をもたらせるんじゃないかなって考えていた。これは戦略の幅が広がるね。


 「マスターはやっぱり面白いっすね!魔法の発動にもビックリしたっすけど、ポイント交換もっすか。ダンジョンに革命が起きてるっす!」


 時間稼ぎをするためにも細く奥の見えない通路は必要だからね。本当はこれに罠を重ねるとさらに効果的だと思うけど、ポイントがある程度貯まるまで我慢だね。


 「と、いう訳で、『通路(石壁)』、『通路(石壁)』、『通路(石壁)』!」


 蛇行させながら、行き止まりを作ったり、入口近くに戻してみたり。お次は、上り坂に下り坂と通路が入り乱れている。それはまるでジェットコースターのような迷路にしてみた。


 「マスター、めっちゃ、やりきった顔してるっす!カッコいいっす!」


 ピースケよ、もっと褒めてくれてもいいんだよ!僕はきっと褒められて伸びるタイプなのだから。


 勢いのままに、入口の割りと近い場所に部屋を作る。

「『土の部屋(小)100P』っと。ここは菜の花とてんとう虫の部屋ね。」


 もちろん、菜の花が根を張りやすいように地面を柔らかく耕してポイント交換している。


 ひとまず、初期仕様としてはある程度、形になってきたかな。


 あとは……。


 今、僕が一番気にしているのは、どうやって千葉ダンジョンに人を呼ぶかということ。この場所は登山道からはずれていて、簡単に人が来るとは到底思えない。つまり、人を呼ぶための仕掛けが必要になるのだ。


 また、最初はあまり目立たないように侵入者を仕留めポイントを増やしていかなければならないだろう。


 やり過ぎて、いきなり警察や自衛隊の出動とかは詰みとしか思えない。


 少しずつ、少しずつ、力を蓄えていきながら生き抜いていく。僕はひとり心の中でそう誓った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ