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第4章 2話

 3、2、1、「はい。水曜日のダンジョンコーナー!中継の浅川でーす。今日も『千葉ダンジョン』のある千葉県富津市からお送りしています」


 今日もワイドショーの目玉中継企画のダンジョンコーナーがいつも通り始まった。


 まともに放送できたのは最初の数分のみ。このあとの映像が世界中を驚嘆させることになる。


 「昨日から探索に入っている『特侵隊』の情報ですが、まだ戻ったとの連絡は入っていません。関係筋の話ではダンジョン内が思った以上に広く苦戦を強いられているのではとの声もあがっています」


 「浅川さん。スタジオにはダンジョン大好きアイドル『モンスタードールズ』の三人が来ています」


 「どーもー。私たちダンジョンにすべてを捧げたいアイドル」

 「ダンジョン愛が止まらないミクです」

 「魔法大好きサクラです」

 「モフモフが至上……リノ」

 「「「三人合わせて『モンスタードールズ』です!」」」


 「今日も一段と元気でかわいいですねー。三人から浅川さんに何か質問はありますか?」


 「はい。サクラです。浅川さん!現場では魔力を感じていますか?」


 「うーん。魔力はちょっと感じてないかなー。ごめんなさい」


 「浅川さーん。ミクです。ダンジョンはどんな匂いですか?」


 「に、匂い?ちょっとここからはまだ遠いんですよ。匂いはわからないかなー」


 「モフモフは……?」


 「いや、ちょっと何言ってるのかわからないんですけど?」


 「えーっと。(……巻くの?)そろそろ時間のようなので『モンスタードールズ』のみなさん。最後に一言お願いします」


 「はい。私たち『モンスタードールズ』が歌うファーストシングル『ダンジョンが待っている』が来週発売になります。ポップでキュートなチューンに仕上がっているのでみんな買ってくださいね!」


 「はい。『モンスタードールズ』のみなさんありがとうございましたー」



 ドッゴーン!!バッゴーン!!!!


 「た、大変です!!」


 「どうしました?浅川さん?えー、ただいま中継先の『千葉ダンジョン』でものすごい音が鳴り響いています。浅川さん!浅川さん、何が起きてますか?」


 「……あっ、ぁぁぁ!!!ド、ドラゴンです!ダンジョンからドラゴンが出てきました!え、映像は撮れてるの?青い、ブルーの、ド、ドラゴンが現れました!あぁ……二体。ドラゴンは全部で二体です!!」


 中継カメラはダンジョン方向を向いており、二体のドラゴンがダンジョン周辺を飛び回り暴れているのをしばらく映していた。


 しかし、ドラゴンが魔法らしきものを放った瞬間、一面に白い世界が拡がっていき中継映像はそこで途切れる。





◇◇◇◆◆



 ダンジョンを出てすぐに水竜の姿に戻ると、けたたましいアラーム音が鳴り響いた。


 「うるさいわねー。コウモリさんが起きちゃうじゃない!」


 音のする方向へ、すかさず大きめの水弾(ウォーターボール)を放つティア。


 ダンジョン前に建てられたバリケードや簡易的に作られた建物やテントが大量の水で押し流されていく。


 ズダダダダダダダダ!!ズドーン!!

 ズダダダダダダダダ!!ズドーン!


 隊員がすぐさまサブマシンガンや無反動砲で反撃を加えるが、サブマシンガンは効いていない。無反動砲にいたってはすべて避けられてしまう。


 するとレヴィが集まってきた隊員達を急襲し二人の隊員を足で押さえつけ、一人の隊員をあっさりと噛み殺した。


 目の前で噛み殺された隊員を見て、一瞬押さえつけられている仲間を助けようと動いていた者達も慌てて逃げ出した。


 それを見てレヴィは自身の爪で足下の隊員の首を刈った。

 数秒で恐慌状態に陥った。撤退指示の声が至るところであがり、ダンジョン周辺から人が離れていく。


 空を飛び回り周辺を眺めるとティアに向かってレヴィが頷いた。次の瞬間全員の動きが止まった。


 「絶対零度(アブソリュートゼロ)


 それはティアが今放つことのできる最大の範囲魔法。ダンジョンを中心に凍土が拡がっていく。水分がすべて氷に変わっていく。木も、植物もそして人間も凍っていく。白の世界が完成した。


 「お姉さま、魔力は大丈夫ですか?」


 「ちょっとフラフラするけど、ダンジョンに戻れば平気よ」


 二体の水竜は人の形へと戻りながらダンジョンに入っていった。




◇◇◇◆◆



 二人が戻ってから少しして、戦闘機がダンジョンの上空に到着する。


 「こちら一号機。目標は不明。ダンジョン周辺は……な、なんだこれは……凍っています。すぐに救護班の手配を。我々の作戦は終了。戻ります」


 「了解(ラジャー)

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