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第1章 5話

 僕は今、めっちゃ精神統一している。


 ティア先生いわく、魔力は心臓の裏側やや下あたりにある魔臓と言われる臓器が作り出し、魔力を使えるようになると血液のように体の中を巡るようになるそうだ。


 「タカシ様、精神が乱れていますわ」


 ティアは僕の背中に手をあてながら魔力を流し魔臓を刺激している。暖かいうねうねしたものが心臓にまとわりついている感覚。うねうねはティアの魔力だろうな。


 「ん、タカシ様のかたいです。力を抜いて私に身を任せてくださいませ。こんなかたいの、はじめてです」


 「う、うん。こんな感じかな?」


 ティア先生、エロいです。なんだか変な気持ちになりながら一生懸命ティアの魔力を受け入れようとする。


 すると、小さなヒビが入って少しずつ魔力が零れだしてくる。


 「タカシ様!これをゆっくりでいいので全身にくまなく循環させてください。私もお手伝いいたします」


 血液が全身を巡るイメージでいいみたいだ。徐々に魔力の量が膨れ上がっていき、小さなヒビだった魔臓から魔力が溢れるように出てくる。ティアのおかげなのか、それは血液のように自然に体を巡りはじめた。


 「ん。いっぱい出ましたね。タカシ様の量が多くて濃厚ですわ」


 ティア先生なんだか少し頬が赤い。


 いや、だからティア先生ー!なんか発言がエロいってば。


 どうやら僕の魔力の質が思ってたより高かったらしく魔力にあてられたらしい。


 魔力の質とは、高いほど細かい指定が可能になり、発動時間も早くなるとのこと。質だけならティア先生以上だって。うん、素晴らしいね!


 「タカシ様の魔力に触れて感じたのは…水属性と土属性があるようです。水と土は得意属性ということになります。もちろん追加の属性についてもダンジョンの交換ポイントで取得可能ですのでご安心ください」


 よ、よかった。サンダーボルト撃てないところだったじゃないか。


 それにしても、これが魔力か。右手に意識を集中すると魔力が集まってくる。次に左の手のひらに魔力を集めると手の上でぐるぐる回っている。


 「タカシ様、そのまま水の玉をイメージしながら壁に向かって放出してみてください」


 頭の中に何をすればいいのかが浮かんできた。


「うん。水弾(ウォーターボール)!」


 ピシャッと30センチサイズの水弾があたり、壁の一面を濡らした。


 これが魔法。そして、体から魔力が少し抜ける感じがした。


 「さすがタカシ様。水弾(ウォーターボール)を初回から成功するなんて!」


 わりと簡単に出来てしまった。初回から成功しないと言いたげだが、初級魔法っぽいし、きっと誰でもできるのだろう。


 ティア先生、優しい。やる気スイッチ押された感MAXです。


 さぁ、どんどんいきましょう。今ならサンダーボルト撃てる気がする。


 「す、すごいです!も、もう一度やってみていただいてもよろしいでしょうか」


 ティア先生、まだあげてくるらしい。徹底してますね!この指導方針大好きです。もっと頑張らなくては。この熱い気持ちを魔法に!


 「では、水弾(ウォーターボール)!」


 同様に、ピシャッと30センチサイズの水弾があたり、壁の一面を濡らしたあと、その周辺に湯気が舞った?あれっ、失敗?じゃないよね??


 「タカシ様!い、今の魔法は何ですか!!」


 「ごめんなさい。どうやら失敗してしまったようですね。雑念が入ってしまいました」


 「い、いえ、そうではなくて、湯気が、あ、熱っ!」


 あわてているティア先生かわいい、マジ天使です。


 「普通の水弾(ウォーターボール)は熱湯になりません!一体、どうやったのですか?」


 「えっと、魔法への熱い想いを」


 「お、想いを!」


 「込めて?」


 「え~っ!ま、魔法の常識が崩れ……」


 ティア先生の演技が本格的です。いや、違うか、魔力の質の高さってやつっぽいね。あとは日本人特有の想像力の成せる技なのだろうか。


 「よし、水弾(ウォーターボール)!」


 今度は、壁にあたると同時に壁が凍りついた。


 ティア先生が壁を見たまま固まってます。


 放心してる美少女なんかエロい。そんなティア先生も素敵です。

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