閑話 3
リナです。
ダンジョンマスターです。
最近出会ったストーカーと変態について語ろうと思います。
私は極度の人見知りです。人と会わなくていいというのならダンジョンマスターは私の天職なのかもしれないなと思っています。
私にはダンジョンとローパーがいれば後は特に必要な物はない。あっ、そうそう『静岡ダンジョン』にはローパーという可愛いモンスターが召喚出来るの。スライムもかわいいけどローパーは別格ね。
あの質感。イルミネーションのような輝き。そして、うねうねと動く愛らしさ。パーフェクトゥ!!!!イッツァパーフェクトゥ!!!!
ボスモンスターはもちろん『クイーンローパー』よ。ダンジョンにいる間は常に私を乗せてくれる椅子であり、ベッドであり、乗り物でもある。移動するのもマジ楽チン。あー、ノーローパーノーライフ。
でも最近、憂鬱なことがあります。同じダンジョンマスターだという人からお呼ばれされているのです。
何度もウナ次郎を通じてお断りをしているのに本当しつこい。きっとストーカーじゃないのかな。イヤね。
ダンジョンストーカー、間違えたダンジョンマスターがうるさいので、しょうがなく会うことにした。ウナ次郎に聞いたら会談は一方的に取り止めて帰ることも出来るとのこと。一応、安全は確保しておきたい。なんでも山梨で攻略されたダンジョンマスターを保護しているらしい。そんなに悪いストーカーじゃないのかもしれない。
『千葉ダンジョン』に行くともう一人のダンジョンマスターがいた。
マヒトと名乗った彼との出会いは最悪だった。なぜなら彼はズボンのチャックを全開にして握手を求めてきたの。いったいどっちを握らせるつもりなのよ。あとから知ったのだけど、タカシいわく彼は『隠さない男』なのだそうだ。
いや、普通に隠しなさいよ。バカなんじゃないの。変態マスターなのね。
出会いは最悪だったが今では会えて良かったと思っている。私以外普通の人がいないのは残念だけど、同じマスターとして相談し会えるのはありがたい。まったくタカシとマヒトとコウモリさんには頭が上がらないわね。
マヒトです。
ダンジョンマスターです。
最近出会った強運の持ち主と恥ずかしがり屋の女の子について語ろうと思います。
タカシさんはなんというかすごい人です。正直、最初からツイていた部分もあると思います。ただそれだけでは説明出来ない強運というか豪運でしょうね。運を引き寄せるパワーがどうかしちゃってる人です。
戦略にも長けていてポイントの稼ぎ方やダンジョンやモンスターの配置はとても勉強になります。そしてタカシさんといえば魔力操作。
遠隔魔法や魔法の変化はもう変態の域に達しているといってもいいでしょう。自分もいつかあの領域に少しでも近づくことが出来ればと思っています。
あと、タカシさんが自分に声を掛けてくれたのは幸運といってもいい出来事でした。ひとりだったらここまでの余裕は絶対に得られなかったでしょうから。
そして、『千葉ダンジョン』で新しく友達が出来ました。リナちゃんという恥ずかしがり屋の女の子のダンジョンマスターです。彼女はいつもフードを深くかぶっていてなかなか素顔を見せてくれません。
最初に会った時もずっと下を向いて僕のズボンばかり見ていました。照れちゃって可愛いね。
彼女のテンションが上がるときは『ローパー』を語るときです。ただこのローパー愛がとても重い。うねうねと光ながら動くのが可愛いらしい。
特殊な趣味の人はいると思いますが、女の子が触手を語るのは正直ドン引きです。やはり普通のダンジョンマスターは自分だけなのかもしれませんね。
それでも同じマスターとして相談し会える仲間と会えたことは感謝してもしきれません。タカシさんにはいつか恩返しが出来たらと思います。




