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第3章 7話

 一日目の魔法練習が終わり夜ご飯をご馳走しながらみんなでダンジョン造りの話をすることになった。


 二人とも初級魔法は問題なく発動しているし、リナちゃんに至っては疾風(ウインド)を少しだけ曲げることが出来ていた。

 初日の成果としては概ね順調だろう。


 「そういえばタカシさん、『千葉ダンジョン』は何階層なんですか?」


 「三階層プラス居住区層で計四階層だね」


 「い、意外ね。も、もっと何十階もあるかと…お、思ってた」


 リナちゃんの人見知りが少しずつ解消されてきたのだろうか。ウナ次郎抜きでの会話も少しずつ増えてきている気がする。ただパーカーのフードはまだ深いままなのでもう少し時間が掛かるだろう。


 「いやいや、うちのダンジョンだって開通してから半年ぐらいしか経ってないからね」


 「そうでしたね。タカシさんと話してると既に十年くらいダンジョンマスターをやってるベテランだと勘違いしてしまいます」


 マヒト君のよいしょに嫌味がない。


 なかなかいい太鼓を打ってくれます。


 「ポイントはあるから階層を増やすのはいいんだけどテーマというか三階層からの繋ぎの部分を迷っていて先延ばしにしちゃってるんだ」


 実際、無理に階層を増やさなくても今のダンジョンで充分撃退可能だと思ってるから焦ってないんだろうな。


 「テーマとか大事ですね。栃木はゴーレムダンジョンみたいなので相性とか気をつけたいですね」


 栃木のボスモンスターは『アイアンゴーレム』。召喚可能なモンスターも『クレイゴーレム100P』だけという。ダンジョンの方向性に合わせるならマヒト君は今後、土属性を取得しておいてもいいのかもしれない。


 「う、うちのモンスターって、か、可愛いけど強くなさそう」


 可愛いかどうかは好みが分かれそうなのだが、静岡ダンジョンのモンスターは『スライム1P』と『ローパー50P』。ボスモンスターは『クイーンローパー』。


 スライムはみなさんご存じの弱キャラです。ローパーは触手系モンスターでクラゲとかイソギンチャクをイメージしてもらえたらわかりやすいと思う。


 洞窟のなかで光り輝く姿は確かに綺麗だとは思うんだけど、侵入者から隠れようとかそういう気持ち絶対ないと思うんだ。


 「ローパーは触手で侵入者を痺れさせるんだよね。『静岡ダンジョン』の戦略的にも合ってるよ。基礎能力だけが強さじゃなくって、様々な組合せで総合的に力を発揮させればいいよ」


 「う、うん。わかってる」


 「タカシさん、『クレイゴーレム』を使うのに適しているのはやっぱり土の部屋になりますか?」


 「そうだね。いいと思うよ。あとは今なら思い切って階層状態を変えてしまうって方法もあるよ。うちの二階層もそうだけどポイントが貯まるのを待って『沼地5000P』にしてしまうとかね。階層状態を変えると新しいモンスターが増える場合があるからね」


 「本当ですか!どんなモンスターが増えたんですか?」


 「『栃木ダンジョン』でも同じように増えるかはわからないけど、うちでは『ジャイアントクラブ300P』と『ロックタートル350P』が新たなモンスターになったよ」


 「ちなみに階層状態を『草原5000P』にした時には『シルバーウルフ250P』と『グラスバイパー350P』が増えたよ」


 「し、新種のローパー、欲しい」


 触手好きの女の子とか需要がありすぎますね。なんか切実にローパーになりたい。そんな心持ちです。


 「同系統のモンスターを増やすのってどうすればいいのかな。ピースケわかる?」


 「なかなか難しいっすね。ダンジョンによって違ったりするっすよ。手段としてはやっぱりその系統が好む階層や部屋をつくるのが近道っすね」


 「うちで『菜の花』や『てんとう虫』をいっぱい召喚した際には『小妖精(ピクシー)10P』。『シルバーウルフ』と『グラスバイパー』を増やした時は『一角ウサギ10P』が選べるようになったんだっけ」


 「ボスモンスターの『ヨルムンガンド』を召喚した後に『ワイバーン500P』も召喚出来るようになったっす」


 なんかこれっていった法則みたいのがありそうでなさそうな、まだよくわからないね。もう少しサンプルが欲しいね。


 「『千葉ダンジョン』のボスモンスターは『ヨルムンガンド』っていうんですか。強そうな名前ですね」


 「うん。実際強いよ。僕をいれなければこのダンジョンで三番目に強いボスモンスターだね」


 「ちょ…ボ、ボスモンスター、な、何体いるのよ?」


 「水竜二体に大海蛇一体。あとレイコさんもボスモンスター扱いになるのか。ということは一応四体いることになるのかな」



 「「えぇー!!!」」



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