第3章 6話
魔臓から魔力を取りだし全身に循環させる初回の風景ですが何故だか毎回こんな感じになってしまう。
「う、うわー。うぉー、き、来てますっ!タカシさん。こ、これヤバイです!」
こちらには一切変な気持ちは無いつもりなのだが、僕の心の奥底には隠しきれないエロチズム達が蔓延しているのだろうか。
「え、えっ。えー!ち、ちょっとまっ……あっ、だ、だめなのー!!」
めずらしい。リナちゃんがさけんでいる。
マヒト君もBLっぽく聞こえちゃうから勘弁してもらいたい。僕にそんな趣味は断じてないのだから。
それにしても、最初に魔力に触れた際の反応がみんな軒並みエロい。とてもエロすぎる。
何故みんなそんなに艶っぽいのだろう。そんなにいいのだろうか。
僕の時はやや暖かい感じだなぁ。といった程度だった気がする。
おそらく僕の魔力の質の高さが何か変な方向に作用しているんだろうけど。
思えばあの強い治癒もおかしかった。
いままで仕留めた野性動物さんとかも気持ちよく土棘されていたのだろうか。
んー、なんか違うな。
きっと僕の魔力が体内に入った場合に影響している気がする。ということは、氷結された方々はきっと気持ちよく逝ってくれたということだろう。
「そうそう、二人の属性がわかったから伝えるね」
二人とも息がまだ荒いが、自分の属性に興味津々のようでこちらに近づいてくる。
「マヒト君は雷属性。リナちゃんは風属性に適性があるようだね」
「おー雷属性ですか!カッコいいですね」
マヒト君も稲妻好きなんだね。
「初級魔法を撃つから僕の魔力の流れを見ながら同じように撃ってみてね」
レイコさんに教えた時のように魔力の流れをしっかり追ってもらいながら練習をしてもらう。
マヒト君には稲妻。リナちゃんには疾風を練習してもらっている。
リナちゃんの方が魔力の流れがスムーズかな。
魔力操作については僕の例が悪かったのか理解が追いつかないようなので基礎をしっかり覚えてからにしようとなった。
僕が稲妻で刀を作ったり、疾風で暖かい風を送り部屋を暖めたりしたからだろう。
寒そうにしていたリナちゃんに気を利かせて暖房したつもりだったのだけど、はっ?お前の魔法おかしいんじゃね?みたいな顔されたし。僕とてもさみしい。
人に教えるのって難しい。僕はどちらかといったら感覚派なのだ。先生役には向いていない気がする。
細かいことは気にしないし、なんかやれそう。気持ちをバーンってぶつける?的な?考えるな。感じろ!的なやつ。
まぁこの辺りをちゃんと順を追って説明出来ないとこが先生役としてダメなんだろうけどね。
とりあえず、当初の目標としてはマヒト君は身体強化まで。
どうやら魔法適性に見込みがありそうなリナちゃんには疾風の遠隔操作を開通までに完成させてもらいたいと伝えている。
マヒト君は現状では細かい魔力操作が難しそうなので身体強化で自ら前に出て戦う覚悟とサポートやおとり役のモンスターを中心にダンジョン造りを進めてもらう。
最初に野性動物さんを何体か討伐してレベルが上がれば少しは安心できるだろうか。
宇都宮市内とはいえダンジョンのある場所は山の中にあるためそれなりに期待できるだろうとのこと。
リナちゃんには最終的には空気中の酸素と二酸化炭素を調整したり、真空状態を作ったりしてもらいたいのだが、まだまだ先は長いだろう。
ダンジョンとしては遠隔魔法を駆使しながらうちのような細い通路でもって大人数と戦わずに時間を稼ぎながら確実に仕留めていく形を目指してもらおうと思う。




