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第1章 3話

 落花生ことピースケいわく、ダンジョンはまだ開通していないとのこと。


 開通とは、入口の洞窟と僕が今いる岩壁の部屋とが繋がることを指すのだが、適合者がダンジョンに現れてから10日目の朝に開通する。


 つまり、それまでにダンジョンをある程度は形にしなければならない。ポイント数の兼ね合いもあるから、あまり思いきったこともしづらいし悩ましい。


 とりあえず考えるのはおいといて、僕は今ピースケが書いた魔法陣の前にいる。なぜかというと、ダンジョンオープン特典とやらがあって、ボスモンスターチケットが貰えたのだ。


 どんなダンジョンを作るか考える前にどんなボスモンスターを召喚できるのか確認することにしたのだ。


 「さぁ、チケットを魔法陣の中央に置くっす。マスターと親和性の高いボスモンスターが召喚されるっすよ」


 チケットを魔法陣に置くと、青い光がぐるぐると魔法陣を周りはじめる。光の色は属性を意味している。青ということは水属性か。


 やがて光が強くなりそこに人の形をした何かが現れた。


「はじめまして、マスター。私の名前はティアマト。ティアとお呼びくださいませ」


 青い髪に青い眼、スレンダー体型の美少女がそこに立っていた。


 「さすがマスター!最初の召喚で水竜を呼び出すなんてついてるっすね」


 水竜?この娘が?髪や眼の色以外は普通の女の子にしか見えない。どういうことだろう。


 「ティア、こちらこそはじめまして。召喚に応じてくれてありがとう。僕の名前はタカシ。このダンジョンのマスターをしている。これからよろしくね。あと……ピースケが水竜って?どういうこと?」


 「はい。タカシ様。ピースケ様がおっしゃっていることは正しく合っています。召喚時、知識レベルの高い大型モンスターは自らのサイズを小さくして召喚されることが多いです。召喚場所のサイズによっては入りきれない場合もあるのです。私の場合、水竜になると20メートルぐらいの大きさになりますよ」


 なるほど。これは当たりを引いたのではないだろうか。ステータスを眺めた結果は凄まじかった。



ティア(水竜)

レベル1

体力320

魔力280

攻撃力220

守備力290

素早さ190



 いや、これ、ティアだけでダンジョンなんとかなっちゃうんじゃないかな。僕の存在意義とかなくなっちゃうんじゃないかな。

 そ、そんなはずはないよね。よし、僕もがんばらなくては。


 「ピースケ、ティア、これからこの千葉ダンジョンの方向性を話し合いたい。相談に乗ってもらえるかな?」


 「もちろん(っす)です。マスター」


 さて、まずは召喚から見てみよう。僕はステータス画面から召喚を選択し、現在召喚できるモンスターを確認する。


 選択肢は、植物と昆虫と水棲生物。水棲生物はティアを召喚した影響だろうか。水棲生物を選択すると選べたのは『半魚人100P』日替り定食(並)10人前と考えると安いのではないだろうか。


 「半魚人100Pってどうなのかな?ステータスがわからないから判断に悩む。あと、召喚したモンスターの食事とかってどうするのかな?」



 「タカシ様、半魚人は複数いてチームワークで戦うタイプです。一体では戦力として厳しいかと」


 水棲生物に詳しいティアが説明してくれた。


 「マスター、モンスターの食事はいらないっす。ダンジョンの魔素を吸収して活動するっす」


 なるほど。食事にポイントを割り振らなくていいのは正直助かる。


 次に選択したのは植物。


 こちらで選べたのも一つで『菜の花1P』。


 えーっ!。もう一度見てみる。『菜の花』。


 おいおいおい、千葉にかなり引っ張られているな。


 ええい、次の昆虫に期待だ!選択。『てんとう虫1P』…。


 いや、これやっぱティアが召喚されなかったら詰んでたんじゃないか。


 ちなみに、これがピースケのステータス。


ピースケ(案内人)

レベル■

保有ポイント988(共有)

体力■

魔力■

攻撃力■

守備力■

素早さ■


 なかなか不思議な落花生のようだね。秘密主義かよ。あと、ポイントやっぱり共有じゃないか!


 その後、二人からダンジョンのことを教わりながらポイント交換による通路や部屋の作成、罠の設置などの構想を練ることにした。


 こうして、僕のダンジョン1日目は終了した。


 よくわからないが、なんとなく、いつもの僕と違う気がしているが理由がわからない。精神状態はいたって冷静なのに、攻撃的な気持ちが強くなっているような。


 あと、家族のことや仕事のこととか、帰らなきゃとか考えると頭がボーっとして考えられなくなってる………?

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