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第19章 8話

 どうやら男性用のお風呂から上がってきたばかりのガルフが僕を見て少し慌てているように見えた。


「お、おいっ! なんでダンジョンの外に出てるんだよ。いくら精霊とはいえ、あいつ一人で大丈夫なのか? レベル上げとはいえ、こういうのは安全に安全を重ねて対処しねぇーとだな」


 恐そうな顔をしているな……いや、これは心配している顔……なのか。なかなか優しいところがあるのかもしれない。


「大丈夫です。ダンジョンの中には僕が出した魔法の雷鳥がいるので。あの、覚えてませんか? 雷属性の魔法なんですけど」


「あぁ、あの鳥か……。その魔法があれば、ここの運営も楽そうだな」


 ガルフが期待するような目で見てくるが、僕ありきの運営は避けたい。関東ならまだしも大阪はそこそこ遠いんだよね。本当早く誰か育ってもらいたい。いや、育てなければならないよね。


「雷鳥は魔法だけに消耗品ですからね。魔力が無くなったら消滅しちゃいます。さっき出したのも半日も持ちませんし」


 まぁ、1日分の雷鳥さんを数出せばいいだけなんだけどさ。ここは一番可能性の高いサクラちゃんに頑張って覚えてもらわなきゃだね。


「そりゃそうか、ちっ、残念だな」


「夕方には『新潟ダンジョン』のダンジョンマスター、サクラちゃんが来ますので残りの1週間はかなり楽になるでしょう」


「そうか。タカシが入ればもう人はいらねぇ気もするが、今後の話し合いもあるか。まぁ、いい、後で姫様にも伝えておこう」


 どうやらリリアさんは、まだお風呂でのんびり入浴中らしいので、お昼のカレータイムにでも報告されることだろう。さて、サクラちゃんが来たら一緒に今後の相談をするとして、そろそろダンジョンに戻ってウンディーネの様子を見てこようかな。


「じゃあ、僕はダンジョンの様子を見てきますね。ガルフさん達は今日はゆっくり休んでもらって大丈夫ですので」


「お、おう! 姫様が後でタカシを呼ぶと思うから、風呂に入って身だしなみを整えておけよ」


「りょ、了解です」


 自分のダンジョンマスターが他のダンジョンマスターに性的に吸血することをボスモンスターであるガルフさんは一体どう思ってるのだろう。ガルフさんに至ってはリリアさんに恋愛感情は無さそうだけど、親愛の気持ちみたいなのはあるはすだ。ちょっと気になるところではある。


 さて、ウンディーネのレベルはいくつになっているかな。そろそろ20は超えていると思うんだけど。


 ダンジョンに入ると、さっきまで大量に積み重なっていた『ガルーダ』は一旦ダンジョンに吸収されてしまったようで綺麗になっていた。どうやらガルーダのリポップも落ち着いているようで、僕の目線の先には雷鳥さんに乗ってキャッキャッ楽しそうに飛行を楽しんでいるウンディーネがいた。というか、雷鳥さんに乗っても大丈夫なんだね。


「ウンディーネ、レベルはどのくらい上がったの?」


 僕に気づいたウンディーネはすぐに思念を送ってくる。レベルはもう22になっているそうだ。これは順調なのではないかな。ここから徐々にレベルは上がりづらくなってしまうだろうけど、この感じならレベル30に近づいてくれたら御の字だ。


 流石に在日米軍や特侵隊をあまり大量に殺すわけにもいかないので、そう考えると『大阪ダンジョン』は重要なレベルアップポイントになる。特に新人マスターにとっては、かなりありがたいダンジョンになるはずだ。


「ん? どうしたのウンディーネ?」


 服の袖を引っ張られるようにダンジョンの中程に連れていかれると、どうやらそこには大量のダンジョンアイテムが積まれていた。


 『風属性の羽』というものらしい。一見すると普通の鳥の羽に見えてしまうので見逃していたが、青と緑が混じったような綺麗な羽が『ガルーダ』の討伐アイテムとして手に入るらしい。


「ウンディーネ、これってどんなアイテムか知ってる?」


 首を横に振ってわからないと言っている。案内人がいればわかるのかもしれないけど、使い道がわからない。変なアイテムだと困るし、これもとりあえず保留か。売れそうなアイテムだったらいいんだけどね。いや待てよ、みんなが留守番してるならピースケを呼んでしまえばいいのか。


 落花生のゆるキャラが、輸送用ヘリで運ばれてくるのはなんともいえないシュールな感じではあるが、見つかって未確認生物とかで話題にならないように注意しながら来てもらいたい。

活動報告の方に発売記念SSを投稿します。

1000文字程度です。


『千葉ダンジョン』が開通したばかりの頃のティア先生とレヴィによる「食への目覚め」です!

よかったら見に来てください。

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